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地下水用試料ビンについて
海外で採取した地下水試料を、日本まで運搬する事を目的とした試料ビンの選択と、その洗浄方法
なお水試料を海外から日本へ送付については、海外から日本への地下水試料の発送についてのページをご覧ください。
また具体的な海外から日本への発送方法については、海外から日本への荷物の発送についてのページをご覧下さい。
蛇足ですが、日本から海外へ送る場合の留意点については、調査に携行する工具・機具類の発送についてのページをご覧下さい。
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目次
- 試料ビン(ボトル)の選択
- 試料ビン(ボトル)の洗浄方法
- 試料ビン(ボトル)の運搬方法
- 試料ビン(ボトル)に使用する油性サインペンについて
1)試料ビン(ボトル)の選択
素材と運搬のしやすさというのは、両方同時に考えなければならない。
以前、環境水中の農薬調査を行っていた際に使用していたのは、コカコーラ社の1Lのガラスビンであった。現在では入手はほとんどできないが、これは以下の点で非常に優れていた。
- ガラス容器である。(農薬の調査にはガラスがよい)
- 元々内圧の高い液体(炭酸入りのコーラ)を充填する事が目的のビンであるため、圧力変化に非常に強い。すなわち温度の低い環境水(地下水)をサンプリング・保存しても、温度変化により割れる心配をしなくても良い。また樹脂でビンの表側をコーティングしてあるため、仮に割れても、ビンの形状を保つ(ヒビが入るだけで砕けることはない)ように設計されており、試料が分析できる可能性が、非常に高い。
- 酒屋さんが運搬しやすいように、6本単位のケースができており、このケースで宅配便の運搬が可能であった。
- 当時このビンとケースのセットの入手が容易であった。
- ただしビンの色が透明に近かったため、光を避けることは必要であった。
現在このビンに匹敵する使いやすい試料ビンを僕は見つけていない。
1−1)各素材ごとの特性
一般的に使われている水サンプル用の素材には以下の物がある。
- PTFEまたはETFE
- ポリエチレン(PE)系
- FEP
- black FPE
- FLPE
- HDPE
- amber HDPE
- LDPE
- ポリプロピレン(PP)
- PMP
- PVC
- PET(PETG)
- PC, gray PC(Polycarbonbate)
- ガラス
容器の素材と、その容器に入れる試料の特性とが適切に一致していなければなりません。
<以下執筆中断中>
参考サイト
1−2)運搬のしやすさ
- 形状
- 蓋の素材と、密閉性
2)試料ボトルの洗浄方法
- 油脂分
- 酸洗浄
- アルカリ洗浄
樹脂製の場合、一般的な方法は以下の通りである。
- 界面活性剤で洗浄する。この際ノンアルカリが望ましい。
- その後、水道水で洗浄
- そして最後に、蒸留水または脱イオン水などで洗浄する
また樹脂製の物に使ってはいけない物は、以下の2つである
- 研磨剤入りの物や、研磨させること
- PCの場合は、強いアルカリ性が作用する物
<以下執筆中断中>
参考サイト
3)試料ビン(ボトル)の運搬に関する留意点
- ボトルの形状
- 運搬する容器の容積に対して、多くの試料を運搬できるように効率の良いボトル形状を選択するのが良いでしょう。
- 僕の場合は、角ビンを使っています。
- 蓋の密閉性(飛行機の貨物室の気圧や温度などの環境)
- 密閉させる目的は、運搬中に空気と触れさせない、試料をこぼさないなどがありますが、つい忘れてしまいがちな点が、航空便の貨物室の環境です。気圧の変化にも耐えられるものを考えておく必要があります。
- 貨物室の環境
- 貨物室の環境(温度・気圧)は航空会社に問い合わせ確認しておく必要があります。
- おおむねの環境は、以下のページに記載がありますのでご参照ください。
- 貨物室の環境FAQ(JAL cargo)
- ボトルの保護
- 保温
- 本来の試料の保温は、水試料のあった場所と同じ温度に保って運搬することです。無理に温度を4度まで低下させることではありません。
- 現実的には現地の温度を保つことができないことや、酸素が分圧分だけ溶け込んでしまうこと(酸化してしまう)や、採水時の温度では分析ができない場合があることなどの理由から、「質」的な保存(参考:地下水試料の保存について)と併せて、行われるべきものです。
- ガラスビンを使っている場合、ビンに気相部分を作らず、運搬中に水温が高くなると、ビンが割れてしまいます。試料をなくさないように、ビン割れを防ぐには、以下の方法があります。
- 運搬中の温度を上昇させない(当たり前ですが基本です):日中の採水時(サンプルビンの出し入れを頻繁に行う時)は、良い(真空断熱タイプの様に)保冷剤とクーラーボックスを使う。なお保冷剤はマイナス温度になるタイプのものはお薦めしません。試料が一部凍結してしまう可能性があります。
- 耐圧ビンの容器を用いる。簡単に手に入るものは、炭酸入りの清涼飲料水のビンです。スクリューキャップのものがよいでしょう。ある程度量がまとまれば、ビン製造メーカーから購入できる場合があります。
- ガラスビンの場合、ビン全体を樹脂でコーティングしてから使用する。
- 樹脂製の容器を用いる。容積の変化にも対応できます。
- ガラスビンの中に、小さい空気の密閉容器(お弁当についてくる鯛のしょうゆ容器のようなもの)を入れる。これにより体積の増加を吸収させ、割れることを防ぐ。実は海外でそのようなものを使っている人を見たのですが、僕はちょっと抵抗があります。
- 国内での運搬に関する留意点
- 国内で送付する場合には、冷たい状態で送りたいことから、クール宅配便をよく使われると思います。しかし注意が必要です。
- クール宅配便を使って保温箱(通称クーラーボックス)に入れて送っても、箱の中まで冷気(冷たい気温)が届かないと言うことです。箱の中が暖かければ、たとえクール便を使っても、暖かいまま保温され、送られます。
- 従ってクール便で送る前に、凍っている保冷剤を新たに入れる必要があります。すなわち、現地調査では、送付用の保冷剤を別に用意しておかなければならないと言うことです。
4)試料ビン(ボトル)に使用する油性サインペンについて
ガラス容器に地点名や日付などを油性のサインペンで書いても、書いて固まったインクが、「ポロポロ」と落ちてしまうことがある。皆さんも経験があると思うが、消え方は以下の2種類である。
- ガラスビンの記載面が、何かに接触して、擦(こす)れることで、はがれ落ちる。
- 記載した後、水で濡れると、指で触っただけで、はがれ落ちる
地下水は特に気温との温度差が大きい事が一般的であるため、試料を入れた直後のビン(表面は乾いている)に油性ペンで記載(記録)しても、試料を入れてからしばらくたつと空気中の湿度が結露し、よってビン表面が濡れてしまい、記載した記録が簡単にはがれ落ちてしまう。
そこで消えないインクを探して、以下の4種類を実際に使用してみた。
これらの選択基準は、町中で普通に販売されているサインペンを、特に何も考えずに買ってきたものである。
- サクラ「ペンタッチ」
- ペン自体に油性と書いてあるのみで、ペン自体にはこの他、商品の特性は何も書いていない。(2006年になってWebsiteや商品を確認したところ、いずれにも「アルコール系インキ」と表示されるようになっていた。)
- パイロット「ツインマーカー」
- ペン自体にアルコール系インキと書いてあるのみで、ペン自体にはこの他、商品の特性は何も書いていない
- トンボ「油性モノマーカー」
- ペン自体に油性と書いてあるのみで、ペン自体にはこの他、商品の特性は何も書いていない
- 百円均一ショップで買った3本百円の台湾製サインペン(delo DL-555)
- ペン自体にインキの種類は書いていない。ただし「well recap after use」と書いてあることから、アルコール系らしいことが商品からわかる。上記Websiteで確認すると、アルコールベースと書いてある。
結果から言えば、消えやすい(剥がれやすい)サインペンは、アルコール系インクのものであり、油性のものはほとんど消える(剥がれる)ことはなかった。いろいろ条件を変えて使ってみると、それぞれ一長一短があることがわかった。
その結果を以下にまとめた。
インクごとの特徴と使用法
|
利点 |
欠点 |
使用法 |
油性インクの場合 |
記載面が擦れても、記載後水に濡れても、落ち(消え)にくいため、安心して使える。 |
ペン先が濡れると全く使えなく(書くことができなく)なる。復活しない。 |
ペン先を濡らさないように、記載面が濡れている場合には、これを拭き取ることができるように、布などを用意しておく。また濡れて使えなくなっても良いように、複数のスペアを用意しておく。 |
アルコール系インクの場合 |
ペン先が濡れても、しばらくたつと復活して使えるようになる。 |
何に書いても、擦れたり、記載後の水濡れによって非常に簡単に落ちて(消え)てしまう。 |
記載直後に、透明テープなどで、記載面を覆って(テープを貼って)記載面を、擦れや水濡れから保護することができれば、ペン先の水濡れをあまり気にしなくて良いので非常に使いやすい。 |
僕の場合は、記載した後にこの記載面に透明テープを貼って保護するようにしているので、アルコール系インクの方が使いやすい。これは試料ビンに記載する面が、どうしても水に濡れてしまうことが大きい。油性ペンの場合、ひとたびペン先が濡れてしまえばペンを二度と使えなくなるため、予備のペンを常時持っていなければならない。井戸は複数箇所を採水し、よって複数の試料ビンを扱うため、記載するペンがなくなることは致命的である。よって予備ペンをいくつも持っておかねばならない。バングラデシュのルーラルエリアでは、油性ペンを簡単に購入することができない事も大きい。「アルコール系インク+テープ貼り」であれば、この心配は皆無である。
この他にも以下のような商品がある。
-
- ゼブラハイマッキー
- 定番であるがアルコール系インクであることに注意。
- マジックインキ
- ちょっと前まではサインペンと言えばマジックペンと言うように、こちらの方が定番であったが、最近はハイマッキーをよく見かけます。こちらは油性です。
- ぺんてるペイントマーカー
- 最近は油性顔料のペンも多数出てきています。
各社のWebsiteを見てみるとわかるが、各種インクのサインペンを製造販売していることがわかる。思うにインクの特性ごとに、商品を提供しているのだろう。しかし残念なことに、いずれの社も店頭にその特性の説明がなく、もちろん製品パッケージにも説明がない。Websiteでも商品特性を説明しているのは3社のみ(ゼブラ、マジック、さくら)であり、他社は説明が一切ない。購入するユーザーに商品特性を説明しないで、各種の商品を提供しているのは、かなり驚きだ。
また各社ともに商品を前面のみが透明の小さいビニール袋に入れており、ペン自体に書かれているインクの種類を、読みとることが困難(袋の中で商品を回転できず裏側の小さい文字の説明を読むことができない)で、この点も驚きだ。
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