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海外から日本への荷物の発送について


 僕はバングラデシュから送ったことしかありません。バングラデシュの現地事情と、発送時の注意事項について、簡単に解説を行います。
 なおこれは2002〜2003年頃の記録です。

 なおバングラデシュに限らず一般的には、その国の外へ持ち出しては行けないものを、日本出国前にその国の大使館ないしは領事館に問い合わせをして、確認しておく必要があります。
 またEMSやDHLなら何でも送ることができると考えずに、その国へ入国したら、必ず調査へ出かける前に、郵便局やDHLのオフィスへ出かけて、以下のことを確認しておかなければなりません。

  1. 日本へ送ろうと考えている品物は、取り扱えるか
     バングラデシュのEMSの場合、液体は、どんな包装方法であれ、一切取り扱うことができません。
     こんなものでも?と思うような物に、輸出許可が必要な場合もあります。
  2. EMSの場合、その最大の大きさ、最大の重さ

目次

  1. 発送する会社
  2. 荷姿
  3. 輸入通関
  4. バングラデシュから日本への料金表(EMS、DHL)

1.発送する会社を選ぶ。発送手続き。

 僕がバングラデシュから日本へ発送するのに利用している会社は、以下の2社です。

1-1.EMSの場合

 EMSは郵便局による荷物を航空便で送るシステムです。バングラデシュでもこれを利用することができます。しかし問題がいくつかあります。

 この他にも以下のような問題もあります。これらの問題は、「荷姿」の項を参照の事。

 EMSの発送手順としては、大まかには以下のようになっています。

  1. 荷物に宛先と送り主(To and From)を書き込む。または紙を貼り付ける。
  2. 窓口に荷物を渡す。
     重たい場合は、中へ運び込めと言ってくる。
  3. 重量の計測が終わると、窓口の人が料金を告げ、荷物を返してくる。場合によっては、荷姿(梱包)が悪いので、業者に梱包を頼めと、言ってくる。
     GPOの場合、周辺には荷物を梱包する業者がいるので、これに依頼する。梱包料金は、50〜100TK。(白い布で包むだけで、かなりお粗末)(注:詳細は荷姿の項を参照)
     ボナニの場合、周辺には梱包業者がいないので、自分で用意するしかない。
  4. 荷物が返ってくると同時に、2枚の書類を渡してくれる。これに、必要事項を書き込んでおく。
     記入する書類は、送り先と送り主を書き込む紙(青と赤の縁取りがしてある)と、内容物を書き込む紙(緑色)の2枚です。GPO周辺の梱包を業者に頼む時は、この書類は業者がくれる。
  5. 告げられた料金分を、別な窓口で支払い、スタンプをもらう。
  6. 先ほど受け取った書類とスタンプを糊付けし、再度窓口へ渡す。
     貼り付けるための糊は、梱包業者がくれますが、梱包を依頼しない場合、自分で持っていかなければなりません。
  7. 係官のチェックが終わると、受付表をくれる。

 おおむね3〜4日程度で、日本へ着きます。

1-2.DHLの場合

 僕がDHLを利用するのは、はっきり言って他の宅配業者(UPS,Skynet,FedEx)よりも安いからです。もちろんEMSよりは、はるかに高額ですが。
 また一旦窓口に受領されてからは、安心して日本へ送ることができるのです。なにせインターネットで、荷物の追跡ができるんですから。

 しかし問題もいくつかあります。

  1. 送るものが書類だけではないため、担当者によって、その手続きが大きく異なります。面倒な人に当たると、窓口だけで数時間、そして翌日再度店舗へ出向かねばならない事もあります。
  2. 内容物に対する証明書類もあった方が無難です。
  3. スムーズに手続きが進む場合でも、1〜2時間かかります。

 僕が利用しているのはダッカのグルシャンにある大きなオフィスです。一度、他の町の中にある小さな店舗を利用したことがありますが、非常に手続きが面倒くさいので、途中で出てきてしまいました。

 発送手順としては、おおむね以下の通りです。

  1. 荷物を事務所に持ち込む
  2. 内容物のチェックが始まる
     ここに時間がかかる場合がある。場合によって1〜2時間。
  3. チェックが完了すると、ここで梱包するか聞いてくるので、その場で梱包した方がよい。ホテルで梱包した後で、ホテルまで取りに行ってやると言っても、やめておいた方がよい。
  4. 梱包が完了したら、重量を量って、料金が出る。
  5. いくつかの書類に書き込んで、料金を支払って、完了。

 おおむね3〜4日程度で日本に着きます。

 なお2003年のアメリカによるイラク攻撃の数日前にSediment Sampleを日本へ送ろうとしたところ、その数日前から輸出許可を取ってからでないと取り扱えないとルールが変わったと突然言われたので、輸出許可を取った。
 DHLによると、Sampleと名前の付く物は、その個数や重さに関係なく、全て許可が必要との事であった。でも違う担当者は、許可書も必要なく、何事もないように扱っていたので、なんだかよくわからない。

輸出許可
輸出許可を取った事務所
 事務所名は、Controller of Import and Export
 ダッカのモテジールにある。Citybank NAのそば。
輸出許可書
 この許可書はDHLのInvoiceに添付して荷物が送られた
この許可を取るのが非常に大変。
 僕は日本人特権とダッカ大学特権を利用して、この事務所の上部組織の二番目に偉い人(副局長)に会いに行き、内容を説明して、そこから基本的な許可をもらったので、1時間で許可書をもらうことの基本的な姿勢が決まった。(この人はダッカ大学卒業後、オックスフォードでマスター、ホノルルでドクターをとったと言っていた)
 基本的な方向は決まったものの、実際の手続きは、10人以上のサインが必要で、全員のサインが揃うまで、半日ずっと待ち続けた。それでも半日という時間の枠に、全員が揃って事務所内いたということは、非常に珍しいことらしい。

 この輸出許可を得た荷物であるが、結局約10日してから手元に届いた。EMSよりも2日も遅い。荷物は開封された形跡があった。さらに輸出許可書も本物を添付していたが、荷物の受け取り時にはコピーに換わっていた。
 イラク戦争まっただ中で、イスラム圏から日本へ送るのだから、これくらい仕方のないことだろう。ついでながら、中身は129USDとDHLに申請していたのだが、なぜか1USDとなっていた。日本円で1万円以下の場合は、消費税が非課税とのことで、毎回受け取り時に払っている日本の消費税は、今回は無かった。
 中身100円のものを、数万円かけて送るか?それにわざわざ輸出許可とるか?間違いに気づかないのね。


2.荷姿

2-1.EMSの場合

 自分で箱を探して、梱包しなければなりません。
 バングラデシュでは、新しい段ボール箱を買うことは、たぶん不可能だと思います。「箱」を買うことは、かなり難しいらしく、一般の人は電気屋さんに、電化製品の空き箱を買いに行っているようです。僕は果物屋に行って、輸入果物用の段ボール箱を買っています。二重構造で、かなり丈夫です。
 他に探し方としては、外国に製品を輸出しているNGOのオフィスで聞くのも一つの手です。
 なお日本のホームセンターなどでよく売っているプラスチック製の工具箱(押し入れ用衣装ケースの頑丈なタイプ)は、ダッカでは販売されていません。

 発送しようとすると、郵便局の職員から、箱を白い布で包めと言ってくる。
 理由が最初はよくわからなかったので、それに従い包んだが、包むための作業がかなり面倒くさかったので包まずに送った。下記写真その1は、包まずに送った例。もちろん何事もなく届いた。
 2003年アメリカによるイラク攻撃の直前に発送しようとしたところ、次のように言われた。「紐でしかくるんでいないと、バ国の税関に興味本位で開けられるよ。中身を盗られた上に、梱包もいい加減で日本に送られても良いの?」こう言われてしまうと、包まざるを得ない。イラク攻撃決定直後だったので、荷物の規制が厳しくなりそうだった。そこで、包むことにした。それに加えて、送る箱がプラスチック製で、スタンプ類の糊付けが難しそうだった。荷姿は、下記写真その2。

その1(2002年2月)
Photo[EMSの荷姿、現地にて] EMS発送前(写真中、箱の左の輪は、ガムテープ)
 この状態で発送したが、何事もなく到着した。
 角もつぶれておらず、蹴り転がされた形跡も一切無かった。
 Toを紙に書いてサイドに貼ると、間違いが少ない。
その2(2003年3月アメリカによるイラク攻撃2日前に発送)
白い布で包ませているところ
 ・ボナニ郵便局から送る場合は、布に包む業者が郵便局周辺にいない。このため、自分で布を買い、さらに職人にゲストハウスまで来てもらい、包んだ。
できあがり
 ・サイドの4面に、JAPANと大きく書き、日本の郵便番号(ZipCode)も合わせて書いた。日本にさえ着けば、少なくとも郵便番号の局へは届くだろうというという意味。
送り状の添付
 ・スタンプ、送り先、内容の3枚を自分で糊付け。糊は局内にない場合があるので、自分で用意しておく。
 ・左が料金のスタンプ(一枚の金額上限が990TKなので複数)
 ・中央がFromとToを書き込む紙
 ・右の緑色の紙が、送付内容物明細を記載する紙
6日後に日本の配達先に到着
 ・税金はなし。ただ受け取っただけです。
 ・国内では祝日と土日の3連休であったため、帰国しても荷物が来ておらず、郵便サービス案内センター(0120−232886)で確認したところ、3つは近くの局まで配達済み、一つは税関で止まっているとのことであった。このように日本へ到着以降であれば、バングラデシュのEMS番号(アルファベット2文字+数字9文字+BD)にて追跡可能。
 ・結果的にDHLより早く手元に届いた。DHLのWebsite上の荷物追跡で確認してみると、ダッカで5日間も留め置きされていた。戦争の影響でチェックが厳しかったのだろう。

EMSで送る場合のいくつかの注意事項

  1.  重たい荷物の場合、バングラデシュ国内の郵便局員は、荷物を手で持たず、足で蹴って転がして運びます。もしくは投げ飛ばして運んでいます。局内で荷物用の台車は見たことがありません。荷物の角を足で押しつぶして、丸い形に変形させて転がしています。僕が局内に入り込んで、直接見て運搬状況を確認しているので、これは事実です。
     ですので、荷物の梱包に当たっては、箱内部にクッション材を十分に入れ、その中央部に送るものが位置するように梱包しなければなりません。
  2.  僕は荷物に必ず紐をかけるようにしています(荷姿の写真参照)。これはあくまでも、「運ぶ人にとって持ちやいように」かけているだけで、ふたを閉めるためにかけているのではありません。
     この紐は、ビニール製の「より紐」です。このより紐は軽い割には、多少こすれても、すり切れることが無く、非常に重宝しています。

2-2.DHLの場合

 僕が利用しているJumbo BoxないしはJunior Jumbo Boxの場合、無料で専用段ボール箱をもらうことができます。この段ボール箱はかなり丈夫で、20〜30kg程度は全く問題がないと思います。ただし箱自体がそれなりに重く、重量は箱も含めた全体量で計算されますので、注意が必要です。

 これに詰め込むと、シールテープ(ガムテープ)は向こうで貼ってくれます。バングラデシュでは、非常に低品質のガムテープ(茶色いビニールテープ)は買うことができますが、日本で普通に売っている布製のガムテープや、透明の梱包用テープは、まず買うことができません。箱やテープなどを探すコストや時間等を考えると、結果的にDHLで詰めた方が安いと思います。

Photo[DHLのJumbo Box日本へ到着後] Photo[DHLのJunior Jumbo Box日本へ到着後]
DHL 日本へ到着
Jumbo Box(左は350mL缶)
箱だけで約1kgある
DHL 日本へ到着
Junior Jumbo Box(左は350mL缶)

3.輸入通関

3-1.EMSの場合

 特に問題が発生したことがないので、たぶん通関も問題なく行われていると思います。もちろん問題になる(日本へ輸入できない)ような品物は、一切送っていません。
 関税も発生したことがないので、支払ったことがありません。
 ただ配達されてきた荷物を、普通の「ゆうパック(郵便小包)」を受け取るように、受け取るだけです。

3-2.DHLの場合

  特に問題が発生したことがないので、たぶん通関も問題なく行われていると思います。もちろん問題になる(日本へ輸入できない)ような品物は、一切送っていません。
 DHLは簡易通関を行うことができるため、関税などは、荷物の受け取り時に支払えばよいことになっています。送る際に内容物を、化学分析用の試料で、その費用としてサンプリング費用を計上したところ、関税はかかりませんでしたが、その費用に対する消費税が発生しました。消費税が発生したため、DHLによる納金代行となり、その手数料が発生しました。これは荷物を受け取った際に、支払いました。なお送る品物に費用がないとして送ったことがありますが、この場合、税金は一切不要でした。


4.バングラデシュから日本への料金表

2003年現在、これらの料金が適応されています。

4-1.EMS料金表

 料金表はまず手に入りません。局へ出かけて自分で手で写すか、現地のNGOに出回っている実物の料金表のコピーをもらうかのどちらかになります。

 EMSで取り扱える最大値

E.M.S. Rate Chart (Corrected upto June 1996)
Rates in Bangladesh Taka
20g 100g 500g 1kg 2kg 3kg 4kg 5kg 6kg 7kg 8kg 9kg 10kg 11kg 12kg 13kg 14kg 15kg 16kg 17kg 18kg 19kg 20kg
Japan 295 315 410 530 770 1010 1250 1490 1730 1970 2210 2450 2690 2930 3170 3410 3650 3890 4130 4370 4610 4850 5090

4-2.DHL料金表

 料金はUSDで示されていますが、支払いは現地通貨でしか行えません。しかもドルから現地通貨への換算レートは、DHLが決めます。銀行レートより、2〜3Tk/USDほど高く設定されています。またDiscountは一切ありません。

日本までの料金(USD) 備考
Jumbo Junior 10kgまで 100 10kgまで同一料金
これを超え1kgごと 5
Jumbo 25kgまで 160 25kgまで同一料金
これを超え1kgごと 5

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