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調査に携行する工具・機具類って結構多くなります。実際に僕が一人で持って行っている荷物を見ていただけますか。これは調査地(バングラデシュ)のゲストハウスでの一コマです。
これだけの荷物をどうやって現地へ持っていけばよいでしょうか。もちろん複数人であれば、飛行機の手荷物として、同時に搭乗するグループ全体での重さとして持っていけば、ほとんど問題になりません。でも一人だったら。ちなみに左の緑のかごと、青いビニール袋は荷物ではありません。
上記の写真にあるようなたくさんの荷物を海外の調査地へ送る方法は、どのような方法があるのでしょうか。
送る方法は大きくは2種類あります。一つは「貨物」として送る場合と、もう一つは飛行機で一緒に「手荷物」として持っていく場合の2通りです。
ではどのようにして運ぶのが、最も安く、また心配も少ないのでしょうか。
貨物と手荷物について、僕の知っている範囲でここにご紹介しましょう。
はじめに「貨物」として、調査の器具類を現地へ送る場合の扱いについて説明します。「貨物」とは、郵便や国際宅配業者にまかせて、荷物をだれか相手国の人に送ることを言います。受け取る相手がいなければなりません。なお宿泊予定ホテルの自分宛には送ることは、特殊な場合を除いてできません。
送るにあたって、注意をしなければならないことは、我々は単に荷物を送るつもりでも、実はその行為は「輸出」にあたるという事なのです。すなわち、送る物によっては、輸出許可(輸出貿易管理令に基づく)が必要であったり、相手国による非常に高い関税がかかる可能性があるのです。また特殊な物については、相手国で受け取ることができる人が限られている場合があります。
すなわち以下の4つについて考えなければなりません。
まず第一に、輸出できる物であるかの判断をしなければいけません。そのためには、特殊と考えられる調査器具について、輸出が可能か、それぞれのメーカーに問い合わせをしなければなりません。場合によっては輸出が可能であるとの証明書が必要になります。しかしこれはあくまでも、日本から外に出せるか、と言うことを判断するだけです。もちろん相手国によっては、輸入を認めていない物もあります。例えば調査に使うGPSは、輸入を認めている国と認めていない国があります。この輸入可能であるかの判断は、一般的には、日本にある相手国の大使館にて相手国への入国が認められるかという情報をもらうようにします。しかし、実際の判断と異なる場合があります。
次に相手国の輸入関税を調べたいと考えられることと思います。しかし日本では簡単には調べることができません。相手国により、保護しているものが非常に細かく異なりますし、また量や使用目的にもより大きく異なるためです。さらに国際郵便・宅配便の場合は、invoice一枚に書かれた内容で相手国の税関が判断するため、どのように解釈されるかが、日本ではわからないためです。これも大使館に問い合わせると、教えてはくれますが、現地での実際の解釈と異なる場合(注1)があります。
注1)僕はバングラデシュに調査用の超純水と脱酸素剤をEMS(国際スピード郵便)で送ったことがある。この時、僕の送った荷物を、僕が受け取るために、バングラデシュの中央郵便局(現地ではGPOと呼ばれている)に併設されている税関の中に入って、日本から来たEMSの輸入通関の実際の手続きを見ていた。まず到着したEMSはその大きさや形状にかかわらず、部屋の奥にある檻の付いたエリアに投げ込まれる。次にそこから荷札の記録をノートに行い、そして税務担当者に荷物が渡る。税務担当者(一人)は荷札からその内容を判断し、税額を所定の本と照らし合わせて、決定していく。判断が難しそうなものについては、荷物の中身をあけさせた上で、決定していた。税額決定後は見ていないのでわからないが、税関からGPOへ荷物は移動される。
なお印象ではあるが、食べ物などのように判断が簡単なものは、スムーズに処理(税額の決定)が進んでいたが、判断が難しいものについては、かなりいい加減に税額を決めていたように感じられた。また日本の大使館宛の荷物はノーチェックのようであった。
ちなみに僕の送った超純水と脱酸素剤は、食品のミネラルウォーターと、食品品質保持の脱酸素剤として扱われた。invoiceには学生の教育目的と書いたのであるが。
さらに情報としてだけだが、バングラデシュにて登録されているNGOへ荷物を送る場合に限って、免税措置があるそうだ。詳しくは日本のバ国大使館へ聞いてみるとよい。私が税金について問い合わせた時にいろいろと教えて下さった職員の方は、たぶん日本人の方だと思う。
国際宅配便業者の場合、ドアツードアが基本なので、彼らが通関手続きを代行(正確には委託を受けて、簡易通関を行っている)してくれます。すなわち、税金を一時的に立て替えてくれています。そして配達先の受取人に、税金の支払いを求めます。国際郵便の場合には立て替えではありませんが、同様に配達時に税金の支払いが求められるのが一般的のよう(注2)です。宅配業者でホテルへの配達を認めていない場合があるのは、受取人が税金を支払う立場にない(ホテル自身の荷物ではなく、また客の税金を立て替える立場にない)ためです。
注2)バングラデシュの場合、丸めてくしゃくしゃになったようなわら半紙が荷物に付いており、これに決定された税額が書かれています。一見すると、ゴミのように見えてしまいます。僕も間違えて捨ててしまいました。
調査に使用する目的のような一時的に使用する(使用後は全て持ち帰る)器具類については、一般的には、相手国の輸入関税はかからないことが多いのです。しかし通関手続きを宅配業者代行してもらうため、その業者が相手国の税関に対して、適切に使用目的を主張できないため、税金は過大に評価されてしまうことがあります。
さらにこちらとしては、以下の問題を明確にしておかねばなりません。
実はさらに面倒くさいことがあります。それは、荷物を国内に持ち帰るときの事です。これは日本への「輸入」にあたってしまうのです。すなわち、きちんと出国前に手続きをとっておかないと、自分のものなのに、輸入の税金がかかってしまうのです。
調査のような一時的な使用目的の荷物を送り、帰国の際に輸入の関税を受けない(再輸入のための免税措置をうける)場合、輸出するものと輸入する物とが同一であると言うことを、税関にて証明を受けなければなりません。この措置が、郵便と宅配では異なります。
国際郵便では、税関から自分で直接「輸出証明」をとる必要があります。送る荷物を全て写真を添えて税関に持っていき、所定の書類を作成し、提出しなければなりません。その後、国際郵便で送ります。そして帰国の際に、飛行場の税関に、別送品扱いの書類を提出する時に、この輸出証明を見せます。
国際宅配便の場合、こちらから業者に提出したinvoceに基づいて、業者から輸出許可がおります(通関の委託を受けているので、許可は業者が出す)ので、この輸出許可書にて、帰国の際の輸入免税を受けることが可能です。輸出許可書は、その発行に数日かかります。こちらは日本への入国時にその書類が必要なので、それを持参して出国しなけければなりませんので、その日数を考慮して荷物を発送しなければなりません。さらに注意点があります。宅配業者は「簡易通関」であるため、調査器具のように特殊でしかも数十万円にもなる高価な物については、相手国により簡易通関ではだめと判断された場合、相手国の税関での検査となり、仮に相手国への輸入が認められなかった場合、業者が発行した輸出許可と、帰国時の輸入物が異なる場合が出てきます。
なお国際宅配便の中でも日本通運は、正式な税関の輸出許可を取ることができますし、輸入免税措置のための手続きについても代行してもらえます。もちろん手数料がかかりますが、この会社にはFedExやDHLにはない再輸入の免税措置に関するノウハウをかなり持っています。ただし1個や2個といった小口の貨物については、かなり不親切(社内の仕組み上、担当者の儲けが少ない上に、手続きが面倒なためらしい)ですので、過度の期待はしない方が良いでしょう。
このように輸入免税措置を受けるという点からも、「貨物」として送ることが、非常に面倒であるということがわかります。
次に送料について、国際郵便や国際宅配便の送料を調べるときに注意・配慮すべき点がいくつかありますので、ここに記します。
では上記で見てきた貨物と、飛行機に乗って一緒に持っていく手荷物とは、何が異なるのでしょうか。
手荷物の場合は、迅速に入国を処理する目的で、ある程度の物品に関しては、飛行場の税関に対して口頭での申告が、いろいろな国で認められています。
僕が他の国で調査を行う場合、受け入れ機関からの「調査招聘状」を作成していただきます。その中に、次のような文章を入れてもらうようにします。
「調査のために使用する器具類については、責任を持って、一緒に帰国させます。」
これにより、持ち込む器具類が、一時的に持ち込む物であって、販売や譲渡目的ではないことが、相手国の税関に対して説明できます。さらに以下の文章も必ず書いてもらっています。
「この人は利益を目的として、調査に来ているのではない。」
これによって利益を目的とした入国ではないことも説明できます。
すなわちこれら2つの文章によって、持ち込む調査器具の非課税を期待するのです。確かに僕は今までこの方法によって関税をかけられたことはありません。しかしもしかしたら、ちょっとまずいことかなのかもしれません。
日本へ帰国する場合については、おおむね30万円程度(購入時ではなく、現在の価格)について、口頭での申告により非課税となります。この点から、もし日本から持ち出す器具類が、全部で30万円程度を越えているようでしたら、帰国時の際に輸入免税措置を受けるために、あらかじめ税関による輸出許可を受けておく必要があります。
これを受けるには必要な書類を荷物に添えて、日本の出国数日前に、飛行場の税関に行く必要があります。
許可を受けた後、その場でパッケージして、出国まで保管してもらいます。許可にはお金はかかりませんが、出国までの保管料はかかります。
次に飛行機で手荷物として持っていく場合の料金を調べます。それには各飛行機会社へ問い合わせをします。
ちなみに僕がよく利用しているThai Airwaysの成田からダッカへの料金は、1kgにつき\3,500.-です。
○参考情報
飛行機で一緒に荷物を持っていく場合に、航空会社での紛失がとっても困ると思います。乗り継ぎが多いと、もっと心配ですよね。そこで、紛失してしまった場合に、あることをしておくと、その後の様々な手続きがとっても楽になる方法がありますので、ここに書いておきます。いずれも、見つける際に、また見つかったときに、これが正当に自分の荷物であるかを証明するための方法です。これらの方法は、観光旅行でも使える方法です。
以上見てきたように、調査器具類を持ち出すとすれば、飛行機の手荷物が一番楽だと思います。
なお蛇足ではありますが、くれぐれも「密輸」にならないように、十分気を付けてください。
1.税関
東京税関(税関相談官) 03-3529-0700
通関案内などのパンフレット(通関案内と国際郵便の2つのパンフレットが分かりやすい)
2.国際郵便と、代表的な宅配便業者のリスト
国際郵便ゆうびんホームページの国際郵便をクリック(国際郵便局EMS課 03-3241-7518〜9)
DHL Japan 0120-39-2580
FedEx 0120-003200
UPS Yamato 0120−127−1040
日本通運 海外宅配のフリーダイアルはありません。問い合わせ先はWebsiteを参照のこと。 (東京池袋の場合は03-5248-4001)
3.各航空会社のリスト
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