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MSワードで長文を作成する方法

100ページ以上の長文を、とにもかくにも、ワードを使って、書かざるを得ない方へ

ワード(95から2003まで)による長文の書き方
文中に★印がある箇所は、書きかけです

このページの目次

0.はじめに
1.ワードを使って長文を書くコツ
2.初期設定
3.禁止操作(長文作成に使ってはいけないコマンド)
 3−1.テキストボックスの使用は少なく
 3−2.ページはレイアウト枠では入れない
 3−3.見出し行はページの第一行目には設定しない
4.長文作製時に便利な操作
 4−1.ジャンプする方法
 4−2.見出しの設定
 4−3.見出しマップ
 4−4.ページの付け方
 4−5.文章の途中でサイズの異なるサイズの紙を使う
 4−6.アウトライン
 4−7.ページの付け方のコツ
 4−8.目次の作成
 4−9.索引の作り方
 4−10.印刷の前に
5.おまけ
 5−1.CALS/ECの電子納品への対応
  5−1−1.ワード2002で全角アルファベットのみを半角アルファベットに一括変換する方法
  5−1−2.機種依存文字のチェックをする
 5−2.ワード2002で発生しているバグとその対応(対処)方法
 5−3.ワードでHTML(ホームページ)を作る
一太郎での長文作成の方法

0.はじめに

 最初にお断りしておきますが、ワードは長文作成に向いていません。大部分の方は気が付いておられないと思いますが、ワードは長文を作成する際には、初期設定と、バグを避けるための操作をきちんと行わなければ、バグが頻発し、せっかく作成した文章が吹っ飛びます。ワードで100枚以上の長文を書こうって言うのは、本当に無謀な行為だとお考え下さい。それに不思議なことに、長文を作成している時に発生するバグって、Word95時代からWord2003まで、どのバージョンであっても同じように発生します。
 でもそれじゃあ僕だって仕事にならない(注1)し、僕の周りにはワードで長文を書かなければならず、このバグに遭遇して、大変苦労している方も多くおられたのです。
 そこで、僕がトライアンドエラーで獲得してきた、これなら少しは使えるっていう設定と、これだけを使っていれば、まあなんとかバグに遭遇せずに行けるだろうっていうワードの使い方をまとめましたので、ここに公開します。

 気をつけていただきたいのは、長文を書くときには、複雑な機能をできるだけ使わないということです。これもできる、あれもできると、各種の機能を使うと、それがバグを呼びます。

 もちろんワードだって十枚程度なら、全く問題なく(バグに遭遇せずに)使うことができます。

 このサイトにはワードで長文を書くためのテクニックが書いています。
 それ以外の細かいことは、ちまたでたくさん売っている本(注1)を買ってください。

注1)いい本ってないんだよね。ワードって英語文化の結晶みたいなところがあって、文章を書くための「パラグラフ」を正しく理解できないと、上手に使えないんだよね。そのいい例が「見出し」。ワードで使う「見出し」ってパラグラフのまとまりごとにつけていくんだ。それぞれのパラグラフの中の改行が「Shift+Enter」。パラグラフの区切りが「Enter」。ワードの改行には2種類あるの(HTMLでの<p>と<br>の違いも同じようなもの)知ってました?この違いを、英語の文章書き方と、日本語の文章書き方とを比較しながら、正しくワードの使い方を説明している解説本って、今のところ一冊しか見たことがない。でもこの本、ワード95の解説本で、今は絶版。残念。

 ちなみに、ワードで100枚以上の文章を書いていると、本当にしょっちゅうバグに遭遇します。この時にどうすれば良いのか、本当に困ると思う。前の会社では、大塚商会でやっているソフトウエアサポートに入っていました。
 0900〜1900まで月〜土、フリーダイヤルで、太郎・ワード・エクセル・123・パワーポイント他多数のソフトについて、そのソフトのインストラクターに聞くことができるんです。もちろんその場で答えられないと、後で電話をかけてきてくれるし、つながらないことはほとんどないし、めちゃくちゃ便利。独自に顧客からの質問内容をデータベース化しているので、大概の質問はほとんど即答してくれる。(今は24時間対応らしい)
 ワードを使う人は、こういったサービスに入っておかないと絶対に苦労します。うちの会社が入っているのは、法人会員で年10万円でした。個人向けもあり、年間1万3千円で、確か海外からでもフリーダイヤルで問い合わせができるものだと年3万円だったかな。
 でも今はこのサービスは行っていないらしい。同じようなサービスを行っている会社を書いておくが、同じだけのサービスを受けることができるか、それは僕にはわからない。

 僕がお薦めなのが、かなり昔の構成だけど、Win2000+8太郎。これに最新のATOK(注2)をいれたもの。
 長文レポートを書くため、特別な操作(凝った装飾はいれない)をしなければ、200枚程度の長文だって非常に快適に、ものすごい早さ(ワードに比べて、スクロールがめちゃくちゃ早いこと、早いこと。古い一太郎を使って最近のPCで使うと、本当に信じられないくらい快適だよ。)で動きます。それに、僕は100ページ程度のレポートを年間十本近く書き続け、かつ編集してきましたが、一太郎を使っていて、ワードのように泣きを見たこと(注3)は全くなかったですから。
 それに一太郎って、DOS時代からあるので、すべてのコマンドがキーボードだけ(マウスにいっさい触れずに)で動くんです。マウスを動かして操作をするのって思考を止めるよね。

 注2) 古い一太郎でも新しいATOKを入れることは可能。古いATOKをアンインストールしないで、新しい一太郎から、手動・カスタムインストールにてATOKのみを選択することで、きちんと新しいATOKがインストールされて古いものから新しいATOKへ置き換わるし、辞書にユーザー登録した単語についても古い辞書から新しい辞書への統合(マージ)も行ってくれる。
注3)ワードのバグの為に泣いたことは多数あったけど、中でも一番泣いたのが、ワードが勝手に「オートフォーマット」を始めたこと。全文に付けた見出しやインデントが、めちゃくちゃになってしまった。アンドゥも効かないし、何百カ所も一つ一つ、全部手で直していった。締め切り間際に、なんでこんな事で終電無くなって、会社に泊まらなきゃならないんじゃ。プンプン

1.ワードを使って長文を書くコツ(長文を書く2つの方法)

 長文の書き方としては、目次(パラグラフ構成)を作って、その目次に文章をつけていく書き方(アイデアプロセッサなどによる書き方、ワードでは「見出し」機能を使う)と、だらだら書いていく(表現は悪いけれど、ともかく体裁を整えることは後回しにして、どんどん書いていく事)やり方と二つあります。

 ワードはアメリカで作られたソフトであるため、最初の方法が適しています。しかしこの方法は、慣れないうちはなかなかうまく書くことができません。日本で行っている作文教育(小学校から大学まで含めて)は、心理描写が主体で、文章を構造的に書いていくことを一切教えないためです。
 ここでは、この2つの書き方をワードで行う方法を紹介します。
 自分の文章の書き方として、どちらが最適なのか、よく考えて、最適なワープロを選ぶという視点もあると思います。

書いていきながら、文章をまとめる方法

 まずはどんどん書いて行ってから、きれいに整形する方法を紹介します。
 ワードの「見出し」は、パラグラフのまとまりごとにつけるという英語ソフト本来の意図があるため、その下の文章の段落やインデントを一括で設定するという特徴があります。アメリカ人のようにパラグラフ単位で書いていく、ということに慣れていない日本人は、文章を書く前に、ほぼ完全なパラグラフの構成すなわち「見出しの構成(ランクとインデント)」が頭の中に出来上がっていないことが普通です。すなわち、書いているうちに見出しのランク(レベル)が変動し、ある程度出来上がってから、見出し構成を整えていくやりかたが普通だと思います。
 ですので最初に見出しの構成を決めて書くよりも、ともかく文章をどんどん書いていき、見出しのレベルをあまり考えずに、自由に見出しを付けていくことがよいと思います。
 まとめると、ひとつめの方法(書いた後で構造を決める方法)をワードを使って書くには、以下のようにして書き進めていくと良いでしょう。

  1. とにもかくにも、「標準」のスタイルで書き続けます。
  2. 書いている途中で「見出し」を作りたくなったら、その途中で、とりあえずスタイルの「見出し1〜」を設定します。ただし第一章とかの数字は自分で書き込みます。
  3. ほぼ文章が書き上がったら、とりあえずつけた「見出し」の字体や大きさ、インデントなどを、きれいに設定していきます。そして見出し以下の文章(標準)のインデントなどを整えていきます。
  4. 次に「見出し」を目次として作成します。
  5. 一番最後に、作りたければ索引をつくります。(索引機能は、100ページを超えると、回復不可能なバグが発生する可能性があります。できるだけ使わないことをお薦めします。)
  6. 印刷して納品。

書く前にある程度文章の構造ができている

 見出しと図表番号をあらかじめ作っておき、そこに文章を入れ込んでいく方法が最も簡単です。
 あらかじめ作っておくフォーマットは、ちまたで売っている書籍の方が良いものを載せている事が多いので、それらの書籍等を購入することをお勧めします。なお古いバージョンの解説本でも、2007より前であれば、ほとんど変わらない内容ですので、古本で安く購入する方が良いと思います。

 パラグラフ単位で書かずとも、あとから構成(パラグラフでも何でも)を自由に変えることができるのは、やっぱり一太郎なのです。もちろんワードと同じように、パラグラフ単位で書いていくことも可能です。(ワードはこの逆ができません)
 ただし最近の一太郎は使っていないので、残念ながら、このパラグラフ単位で書かなくても良い、という機能が今の一太郎に残されているのかは、全く存じません。

構造的に文章を書くことを学ぶには

 構造的に書いていく方法をきちんと教えてくれる本は、アメリカの大学の教科書では多数販売されています。これらの書籍は、日本でも洋書販売店やamazon等の通販で買うことができます。しかし日本語のための文章の書き方については、1冊をのぞいて、あまり良い教科書がありません。
 私が見てきた中で、最も良いと思う本を日本語・英語ともにこのサイト内で紹介していますので、ご参考いただければと思います。


2.初期設定

 ワードを使うには、まず最初に、ワードが勝手に自動実行する(使い手が命令していないにもかかわらず自動実行してしまう)行為をやめさせることから始めよう。
 この自動実行(一見便利そうである)が、書いている最中の思考を止めてしまうのだ。なぜかって?それは、自分で考えている文書の構造と、ワードによって自動で行われる構造変更とが、ほぼ100%異なるからである。文章を書いている最中に、考えているのと異なる構造へと勝手に変わってしまうことが発生すると、その為に今考えている文章の為の思考を一旦やめて、修正を行わなければならないのだ。この修正時間の間に、どれだけの大切なアイデアが吹っ飛んでいってしまうか?考えただけでも、恐ろしい。

2−1.入力中に勝手に箇条書きとかを実行してしまうことをやめさせる。

 「ツール−オートコレクト−入力オートフォーマット−入力中に自動で書式設定する項目」

 この中のいくつかのチェックをはずす。ちなみに私は、見出し、箇条書き、字下げをはずしています。でも字下げのチェックをはずしたって、勝手に動くんですよね。じゃまくさい。

2−2.スタイルを勝手に変更する事をやめさせる。

 「ツール−オートコレクト−一括オートフォーマット−自動で適切なスタイルを設定する箇所」

 この中のいくつかのチェックをはずす。ちなみに私は全部はずしています。これでも勝手に見出しマップのオートフォーマット始めるんですよね。しかも、き・ま・ぐ・れ・に。オートフォーマットかかっちゃったら、一括では直しようがありません。何度泣いたことか...くそっ! ちなみにこの場合の直し方は、かかった行すべてを一つ一つ標準のスタイルに設定し直していくしかないんです。ちなみに「書式−スタイル」で標準を確認して「設定」をクリック。そうするとスタイルがすべて「標準」に戻って、見出しマップからはずれます。けれどもすべてが「標準のスタイル」に戻ってしまうので、個別に設定したインデントやら字の大きさやらすべてが、パー。

2−3.標準で使う文字フォントを決める。

 「書式−フォント−規定値として設定」

 日本語は、固定ピッチ(プロポーショナルではない)フォントを使うのが基本。英数字は、プロポーショナルを使う。フォントの大きさは、A4サイズの原稿で、12ポイントが基本。
 僕のクライアントはカッコつけるおじさんが多いので、秘書(結構美人が多いんです)の手前、遠目や老眼鏡は使いたくないらしい。そこで明朝体のW5という太字のものを使っています。ゴシックは報告書にはちょっと向いていない。なお明朝体の場合の英数字(プロポーショナル)はTimes New Romanです。

2−4.書いていく時は、編集記号は「表示」にしておく。

 「ツールバー−編集記号の表示/非表示」

 箇条書きにしていくと、なぜか行頭の部分がきちんと並ばないことを経験しているでしょ。これの原因って、a)入力オートフォーマットと、b)フォントと、c)箇条書きの前の全角/半角スペース、これら3つが原因のことが多いんです。入力オートフォーマットは、上記の設定で動かないようにしていますし、フォントも同様に上で設定していますので、箇条書きの前の部分を、すべて同じ全角スペースとか半角スペースにすれば、行頭はきちんと並びます。ただし全角スペースは固定ピッチで、半角はプロポーショナルなので、全角と半角が混ざる可能性もあります。そこで編集記号を表示させておけば、きちんと見分けることができるのです。

2−5.あいまい検索に制限を付ける

 「ツールバー−オプション−あいまい検索」

 「あいまい検索」にきちんと制限を付けておかないと、「一括置換(編集−置換−すべてを置換)」を実行すると、なんと「あいまい」状態で一括の置換がされてしまうのです。
 特に化学物質の名称を一括置換で変更したときに、ワードがめちゃくちゃに変換してしまったことがあり、手動で全部を換えて行かねばならず、あのときは本当に困った。

3.禁止操作(長文作成に使ってはいけないコマンド)

 長年使ってきた経験で、少なくとも以下の3つは行ってはいけないことを、多くのエラーから学んだ。前にも書いたが、これらから発生するエラーは、ワードのバージョンに依存しない。

3−1.テキストボックスの使用はできるだけ少なく

 ワードのバグで最も焦ってしまうのは、きちんと保存したにも関わらず、次に開こうと思ってもいきなり読み込みができないと表示されることだ。冷や汗が出る。これをとりあえず回復させるには、ワードを起動させて、「ファイルを開く」のダイヤログを表示させ、対象のファイルを選択(白黒反転させる)。その状態で、右下の「開く」ボタンの右側の小さな下三角をクリック。一番下の「開いて修復」にて開くことができる。ここで最も多いエラーの発生場所が、テキストボックスによるエラーだ。

 この他のテキストボックスのエラーで困ってしまうものに、「勝手にリンク」というものがある。普通に保存し終了させ、その後ファイルを開いて印刷すると、テキストボックスにとんでもない文章が入っている場合がある。実は全く関係のない、どこだかわからないテキストボックスと、勝手にリンクされてしまい、その内容が入り込んでしまうと言う、とんでもないことがあるのだ。それに気がつかず、テキストボックスの編集をしてしまうと、リンクされている先のテキストボックスの内容も変更されてしまう。気をつけなければならないことは、とんでもない文章の内容を覚えておき、それと同じテキストボックスを探さねばならない。すなわちリンクされた両者で、リンクを解除しなければならないのだ。

 このエラーの発生を防ぐ、またはエラーを発生させたファイルの回復策は、テキストボックスの使用量を減らすことが最も有効だ。とはいえ、テキストボックスをモットも使うフローチャートを作成したいという方もおられるだろう。僕がお薦めするのは、他のソフトを使うことだ。

 僕はフローチャートの作成や簡単な図の作成には、visioを使っている。ただしこのvisioは普通に貼り付け(visioからワードに「CTRL+c」等のコピペ)、その文章からPDFを作成すると、その図だけがとんでもなく乱れてしまうことがある。それを防ぐ方法は、このサイトの中の「MSワードでPDFファイルを作る時のコツ」の下の方にある「Visio(ビジオ)の設定方法」に記述をしてあるので、ご参考いただければと思う。

 なお「開いて修復」で対象ファイルを開くことができた場合、レイアウトが乱れるなどの状態で開かれているが、一応、修復されていると考えて良い。従って、開くことができた段階で直ちに別名で保存しておくと良い。
 また開いた際に「テキストは復活させるが、図表類は削除する」というメッセージが表示されることがある。私のファイルでこれが出てきたときは冷や汗がでてしまった。私の場合、バージョンの違うもので同様に開いてみてうまく復活できた。

3−2.ページはレイアウト枠による挿入で作成してはいけない

 ワードのページの入れ方には、2通りある。この2通りというのは、「見かけ上」同じになっているというだけで、機能としては同じではないところに問題がある。それが互いに干渉し、文章を破壊するバグ発生につながっているのだ。
 せっかく作成した文章をたかがページ作成くらいで回復できないようなバグに遭遇しないためには、自己防衛するしかない。簡単なことで、ページを入れるのはどちらかの一つの機能だけを使うようにするのだ。そこでどちらがよいかというと、レイアウト枠を使わない方のやり方で作成するのがよい。レイアウト枠で作っていくと、ページが途中で飛んでしまったり、参照が動かなかったり、目次が作成されなかったり、ファイルが開かなかったり、とにもかくにもまともに動かないことが発生することがあるのだ。
 ワードにページを入れるのは、以下の手順による方法だけを用いることを、私は強く薦めます。

  1. 「表示−ヘッダーとフッタ」で目次を入れたいヘッダーまたはフッタを表示させる。
  2. ヘッダーとフッタのツールバーが表示されるので、その左端の「ページ番号の挿入」
 この方法によるメリットは、ページの水平方向の位置をルーラーで決めることができるという点があります。A4縦を基本とした文章中にA3横を挟み込む際、A3のページ番号位置をA4の位置と一致させたいときに便利です。このページ番号は、文章と同じですので、中央そろえや右そろえが使えるのです。
 なお垂直方向の位置決めは、以下の方法で行います。
  1. ヘッダーとフッタのツールバーの「ページ設定」をクリック
  2. 「ページ設定」ダイヤログ中の「その他」タブをクリック
  3. ヘッダーとフッタの「用紙の端からの距離」と、「垂直方向の配置」で調整
 また入れるページを、章や節ごとに振る際には、「ページ設定」ダイヤログ中の「ページ番号の書式」ダイヤログ中の、「章番号を含める」において「見出し」のレベルを設定すれば、その章や節ごとに番号が振られます。これを使う場合よく間違えるのが、章や節の書式とページ番号の書式が異なってしまう点です。ページ番号に使用(引用)される書式は、「アウトライン番号の書式設定」によるものです。

 使ってはいけないレイアウト枠によるページの挿入方法は、以下の通りです。

  1. 「挿入−ページ番号」

3−3.見出し行はページの第一行目には設定しない

 見出し行の入れる場所は、ついつい、各ページの一番先頭行すなわち一行目に入れてしまいたくなる。しかしこれをやってはいけない。これをやると、見出し行の設定が、とんでもない箇所に出現することがあったり、書式がトンでもないことになることがあるのだ。書式の修正ははっきり言って、かなり面倒くさい。一つ一つ確認しながら、一つ一つ修正をかけねばならず、100ページを超える文章だと、死にたくなる。それに加えて、修正して保存しても、その保存されたファイルを読み出すと、また乱れていることもあるのだ。ファイル中の根本的なバグ発生原因を修正しないと、どうも直らないらしい。
 気がついている方も多いと思うが、第一行目に見出し行を設定すると、その前のページの最下行にも同じ設定がなされてしまう。改ページのコマンドと、見出し行のコマンドの整合性がきちんとなされていないためなのだろう。普通、見出し行を入れるページの前のページの最下行には、改ページを入れることが多い。前のページの設定と、見出し行の設定とがぶつかり合って、トンでもないことが起きてしまうのだろう。バグが発生する理由を考えていても仕方がない。書式が乱れないように文章を書くだけで良いのだ。
 方法は簡単。
 ページの先頭行、すなわち一行目には、空(から)の行を入れて、見出し行はその次の第二行目に入れることだけ。できればこの第一行目は、何の書式を設定しない行とすることが望ましい。

 

このバグから応用して考えると、一つのファイル中で、書式の設定を文章の途中で変更する場合は、空(から)行を入れておくことが望ましいと推測できる。私自身は、文章中で書式を変更することはほとんど無い。パラグラフ単位でも、全く同一の書式を用いている。せいぜいインデントが異なるくらいなので、この適用については、正しいのかどうかはわからない。


4.長文作製時に便利な操作

4−1.ジャンプする方法

 ジャンプはまずこの1つだけ覚えておきしょう。
 文章を書いていると、突然、「あっ、あそこの文章を直すの忘れた。前にもどって書き直さなきゃ」って思うこと結構あるでしょ。でも今書いている場所を忘れないように、ノートの切れ端やポストイットに書いてモニターに張り付けて、なんてやっていたら、せっかく思い出したこと忘れちゃうじゃない。だからワードに今の場所を記憶させておけば便利でしょ。

 任意の場所を設定して、他からその場所へ移動する(もどる)方法

 まずは覚えさせたい任意の場所の文字列(1文字でも良い)を範囲選択(白黒反転)してから、「挿入−ブックマーク」でブックマーク名を書き込む。この選択した範囲をブックマーク名で記憶してくれる。ただしブックマーク名は、数字と一文字は使えません。記憶させたら、思い出した場所に移動して訂正後、「F5−ジャンプタグ−移動先をブックマーク−ブックマーク名を選択」これで元に戻ることができます。

 ここで注意点:

 一度移動すると、この移動がワードに記憶されるんです。縦スクロールの下に三角2つマークがあるでしょ。移動するとこれが青に変わります。青になっているということは、移動を記憶しているという事なのです。他を編集してまた同じ所へ戻りたいときは、この青三角2つをクリックすると、また戻ることができます。記憶を消したいときは、三角2つに挟まれている真ん中の丸をクリックして、ページ単位でジャンプをクリックすると、初期設定のページ単位でジャンプ機能に戻ることができ、記憶を消すことができます。そして三角2つは黒くもどります。なお移動以外も、丸をクリックして出てくるジャンプ機能を一度でも実行すると、青三角に記憶されます。検索のときは、検索ウインドウを消してもここには検索ワードが残っていますので、再度検索をかけることができます。

4−2.「見出し」の設定

4−2−1.見出しに連番を付ける


4−3.目次のようなものを見ながら編集できる「見出しマップ」

 100ページぐらいの文章なら、全体の構成を覚えておけるから、なんとか書けると思うけど、200ページぐらいになると、全体の構成って覚えていられないよね。そんなときに使うのが「見出しマップ」。まあ目次みたいなもの(目次ではないよ)。各章や各節の頭に、「第一章はじめに」とか書くでしょ。この行をワードでは「見出し」って呼んでる。この見出しにはランク(レベル)があって、例えば書いている文章の中身が、第一章、第一節、第一項、っていうランク(レベル)で書いているとすると、第一章を「見出し1」第一節を「見出し2」第一項を「見出し3」として設定するんだ。この設定をしておけば、ツールバーの見出しマップをクリックすると、左側に見出しの一覧表が表示される。通常見出しは自分の作りたい報告書の目次と同じなので、その報告書の構成をみながら書くことができる。
 応用として、目次構成だけを先に作って、見出しマップを表示させながら、書き上げることだってできる。またあとで説明するけれど、この「見出し」は、自動作成してくれる「目次」や、アウトラインプロセッサとして使うことのできる「アウトライン」機能と一緒になって動いてくれるので、きちんと設定しておいた方がよい。
 さらにpdfファイル化するときに、Acrobat PDF Maker 4.0 for Microsoft Office97を使えば、見出し機能で作った目次やらなにやらが全部pdfファイルに反映される。この点からも、きちんと設定しておいた方が、絶対に得だよ。(最近のAcrobat5では、ほぼ完全にpdfファイルになるようです)


4−4.ページ番号を付ける

 ページを付ける位置は、右下とか右上がかっこよく見えるけど、最近は下中央が主流。なぜかって? 答は簡単。両面コピーが増えてきたから。僕たちの成果品のレポートは、クライアントだってコピーしたいでしょ。そんなときにページが真ん中にあれば、何の苦労もなく両面コピーできるよね。
 ワードの場合、ページはヘッダ・フッタで書くんです。下だからフッタ。 「表示−ヘッダとフッタ」ヘッダとフッタのウインドウ(ツールバー)が立ち上がり、本文がグレイアウトして、ヘッダの部分に鎖線の囲みができているはず。ヘッダからフッタへ移動するので、「ヘッダとフッタの切り替え」をクリック。フッタに鎖線の囲みができます。次に「ページ番号の書式設定」で書式を設定します。
 ウインドウの中に1、2、3という数字に2種類あります。これはページ番号フォントの全角/半角の切り替えです。ここのフォントは基本的には上記2で設定したフォントに従います。ただし、ページだけ異なるフォントにしたいことも多いので、そのときはフッタ中のページの部分を選択(白黒反転)し、「右クリック−フォント」で、全角の時は日本語用のフォント、半角の時は英数字用のフォントで設定します。僕は半角の方がかっこいい字体が多いので、いつも半角にしています。このほかの「ページ番号の書式設定」について、ちょっと書いておきます。
 前のセクションから継続:下記の9で書いているけど、ページの書式を変えたい時は、セクション区切りを用いるんです。セクションをまたがって連続してページを付けたいときにこれをチェックします。
 開始番号:セクションの始まりのページ番号を指定します。でも3枚目から1ページを始めたいからと言って仮に「−1」をつけたとしても、なんと「−1」からページが始まっちゃうんです。この様なときは面倒でも、セクションを区切らざるを得ません。すっげー不便。


4−5.A4で書いていたけど、途中でA3を挟みたい

 簡単に言えば、セクション区切りを入れて、セクションごとにページ設定を変えてやればよい。
 A4の最後(A3を入れる前)の部分にカーソルを持っていき、「挿入−改ページ−セクション区切り、次のページから開始」。
 次のページの頭にカーソルを移動して、「ファイル−ページ設定−用紙サイズ」でA3にクリック、通常なら「用紙の向きで、横」にもマークする。
 A3の一番最後にカーソルを移動して、先と同様に、「挿入−改ページ−セクション区切り、次のページから開始」。そして次のページの頭にカーソルを移動して、「ファイル−ページ設定−用紙サイズ」でA4縦にクリック。
 これで異なるサイズの、異なる向きの用紙が、一つのファイルで扱えるようになった。
 が、安心してはいけない。
 インクジェットのような家庭用のプリンターでは、印刷ができないのだ。
 印刷方法は、ない。

 このように一つのファイルの中で、用紙サイズが変わっても印刷ができるプリンターは、レーザープリンターで、トレイが複数あるものでなければならない。
 ビジネス用のプリンターぐらいしかないだろう。


4−6.編集に便利なアウトライン

 「見出し1〜」って「見出しマップ」機能以外にも「アウトライン」という機能にも使えるんだ。
 見出しの設定がされている状態で、ワードの左下にある(F1ヘルプの上、横スクロールの左端)にあるアイコンのうち、アウトライン表示をクリックする。するとアウトラインの表示に切り替わる。最初の表示では、すべての文章が表示される。見出しには、白い十字が行頭についていて、普通の標準行の行頭には、白い小さい四角がついている。このアウトライン表示では、見出しの下に書かれている文章が、見出しと一体になっているのです。見出し行の行頭白十字をダブルクリックすると、どこまでがその見出しと一体になっている文章かを見ることができます。アウトライン表示では、この見出しだけを移動することで、その下にある文章すべてを移動できるのです。ただし、全文を表示させて移動させるのはこんがらかるもとなので、表示を見出し行のみにして、見出し行のみを選択移動することで、全文の構成を簡単に変える事ができます。もちろん表示する見出しのレベルを変えることもできますし、見出しのレベルを自由に上下することもできます。


4−7.目次の前の前書き等のページに、ページ番号を付けたくない。目次にも表示したくない。

 セクション区切りで、セクション細かく分けていく。


4−8.目次の作成方法

 アウトラインレベルと見出しスタイルとを連動させる。(アウトライン番号の書式設定ウインドウで、レベルと対応づける見出しスタイルで見出しレベルを対応づける)
 アウトライン番号が、章や節の番号になるので、これも設定する。


4−9.索引の作成と変更

 ワードで索引を作ろうと思わない方が良い。ともかく最悪!。できれば使わないことを強く薦める。
 ワードの索引は、索引を作るキーワードについて、全文中の対象単語(フレーズでも良い)に、印刷レイアウト表示では見えないマークを、その単語の前に書き込んでいくもの。索引機能は、この見えないマークを検索して、そのマークが存在するページをリストアップしていきます。
 でもワードの索引は、全文に対して、全てキーワードを選出(見えない記号を書き込む)してしまうため、索引化したくない箇所を選ぶことができません。またやり直しも、Undoでしか行えません。ともかく全部に対して行ってしまうので、前書きとか、あとがき(編集後記)のような、本文とはあまり関係のないページまで、マークを付けてしまい、索引化されてしまうのです。
 では、索引を作成した(全ての対象単語の前に見えない記号が書き込まれた)後で、どうすれば索引からはずれるように、見えない記号を削除できるのでしょうか。それは2−4で書いた編集記号を表示させることで、見えない記号が見えるようになり、かつ普通に編集できる(記号を削除できる)ようになります。


4−10.印刷の前に確認

ページレイアウト(行間や文字数などなど)が変わっていませんか?確認してみましょう。

 ページレイアウトで行数や文字数を設定していても、また設定せずに「標準」で使っていても、なぜかわからないが、これが変わっていることがよくある。もし行間や文字数が変だなあ、と思ったら、ともかく行数や文字数を数えてみよう。

 もし行数がページレイアウトで設定した行数とは異なっていた場合、どうすれば直せるか。
 それはその箇所の「スタイル」の「標準」に設定されている内容が変わっている事が原因なので、その変わってしまっている箇所を選択し、「標準」にしてやればよい。

 ワードは、書いているうちに、勝手にスタイルを判断して、勝手に書式を変更してしまうという「よけいな機能」を持っています。しかも勝手に換えておきながら、スタイルは「標準」という名前のままなのです。
 ただし、標準に直してやると、レイアウトが標準で設定した内容に、全部直ってしまいます。仕方がないので、後は手で一つ一つ直していかなければなりません。
 なお2で書いたような初期設定をしておけば、比較的このような勝手なスタイルの変更は行われないようです。

 レイアウトが変わることの良くある原因として、他のワードファイルからのコピーがあります。
 他のファイルを元として、レイアウトの異なるものをコピーすると、そのレイアウトを引き継いでコピーされる場合と、全く引き継がれないで、こちらのレイアウトに変更される場合との2つのケースがあります。これが最悪なのは、レイアウトが引き継がれて、自分のレイアウトと異なっていても、レイアウトの表示は「標準」なのです。
 これを防ぐためには、僕の場合、いちどテキストエディターにコピーして、このテキストエディターの文章を貼り付けるようにしています。または、強制的にコピー元のファイルのレイアウトを、自分のレイアウトに変更して、これをコピーするようにします。
 これらの作業は、はっきり言って面倒ですが、後で泣きを見るよりは、まだ「まし」なので、仕方なくやっています。


5.おまけ

5−1.CALS/ECの電子納品への対応

5−1−1.ワード2002で、全角のアルファベットを、半角のアルファベットに一括変換する(Aug. 18 2004記載)

 これは2002以降でしかできません。
 CALS/ECの電子納品とかの文章で、全角のアルファベットがだめな時ってあるでしょ。そんな時に使えるように、ここに書いておきます。

 蛇足ですが、CALS/ECの電子納品の禁則文字(使用できない文字)の一覧は、全角・半角ともに、以下に書いてあります。
 「土設計業務などの電子納品実戦マニュアル3.0版」国土総合研究機構、p1-19〜1-21

 考え方として、全文書中の全角アルファベットを検索し、選択(反転表示)させ、この選択したもの全てを半角に変換します。

  1. 編集−検索−オプションを表示
  2. 次の2項目にチェックを入れる。
  3. 1)見つかった全ての項目を強調表示する。2)ワイルドカードを使用する。
  4. 検索する文字列に入力 : [A-Z,a-z] (内容:半角角括弧、全角A、半角ハイフォン、全角Z、半角カンマ、全角a、半角ハイフォン、全角z、半角角括弧) もし数字も入れたければ、半角カンマの後に続けて0-9をzの直後につければよい。
  5. この操作により検索された全角アルファベット全てが選択(反転文字)されるので、このダイヤログを閉じ、以下の操作を行う。
  6. 次の操作により、反転された全角文字を以下により半角に変換する。
  7. ツールバーの「書式−文字種の変換」により、文字種の変換代やログを表示し、ダイヤログ中の半角をチェックし、OK

5−1−2.機種依存文字のチェックをする

 CALS/ECでは、機種依存文字を使うことは禁止されています。しかしどうしても使ってしまうことがあります。自分自身で使わないと決めていても、他の執筆者からの文章に紛れ込んでしなうこともよくあります。
 これらの機能は、ワード自身にはありませんので、他のソフトを使います。

 機種依存文字を使わない方法は、ATOKの場合であればとても簡単です。機種依存文字を変換候補にリスト化されないようにすればよいのです。私はこの設定にしてありますので、自分自身の文章には機種依存文字は入っていません。
 ATOKでの設定法
  1.ATOKプロパティ(環境設定)のダイヤログを表示する
  2.校正支援タブをクリックし、左ウインドウ内の校正支援をクリックし表示させ
  3.変換候補をよく制するにチェックを入れて、OK
 ただし不便なこともあります。丸付きの数字が変換されません。片括弧などで対応することになりますが、慣れるまでは、ちょっと戸惑います。

 機種依存文字の有無は、アドインソフトを使います。フリーで公開されている「機種依存文字チェッカ for Word」が便利です。同じ作者によってエクセルもあります。


5−2.ワード2002で発生しているバグとその対応方法(Aug 2004記載)

最近の私はワード2002と2003を使っています。
 ワードは嫌だ。こんな中途半端な製品は、販売に値するような、工業製品ではない。使いたくないよぅ。

5−2−1.その1

○やりたかったこと
 本文中に、別に作ったワードやエクセルの横書き表を、縦に回転させて、貼り付ける。

○方法
 テキストボックスは表を書くことができるが回転できない。ワード文書オブジェクトの貼り付けも回転できない。よって方法としては、拡張メタファイルの図として貼り付けてから回転させることとした。

○バグの内容
 別文章の表を「コピー」して本文の挿入したい箇所にカーソルを持って行き、「形式を選択して貼り付け」−「図(拡張メタファイル)」にて貼り付ける。この貼り付けた表を選択し、右クリックで「オブジェクトの書式設定」−「レイアウト」で「全面」を選択。この後、貼り付けた表全体を、左90度回転させる。
 通常ならこれで何も問題く貼り付けられる。しかしバグはここから。なんとこの表を動かすと、表中の文字が、ランダムな場所で、文字が消える。罫線も消える。ちょっと動かしたりすると、一部が復活し、一部が消える。なんとなく表示だけがおかしい印象があるので、とりあえず消えたまま印刷。印刷だけはまともなことを期待するが。やっぱり消えた文字や罫線は、そのまま消えたまま印刷される。どうしようもない。
 一番危険なのは、見かけ上、まともに貼り付けられているような場合があること。エクセルの表で、セルの塗りつぶし(セルの背景色)やフォント、ボールド等はきれいに貼り付けられていたものの、フォントの色だけが張り付かないことがあった。すなわちフォントの色だけが、ワード上で、全部「黒」になってしまったのである。細かいデータを、セルの背景色と、フォントの色分けで区分していた。セルの色がきれいに貼り付けられていたから、つい、細かくチェックしなかったら、なんとフォントの色だけが張り付いていなかった。危ない、危ない。でもこれじゃ、何を信用して良いのやら。

○対処方法
 貼り付け方法を各種トライしたが、全くだめ。仕方がないので、ビットマップで貼り付けて、回転させた。リンク貼り付けの文章オブジェクトの場合であれば、縮小できるので、無理に縦に回転させずに、横で貼り付けてもよいかも。
 無理に回転させなくとも、大きい用紙を入れるとかすれば良い。
 実はマイクロソフトオフィス同士の、拡張メタファイルを使った(介した)貼り付けは、限界があるとのこと。その限界は、パソコンやソフトの使用環境で変わるので何とも言えないらしい。でもね、僕のやっている事って、限界を駆使するほどの事じゃないんだよ。あ〜あ、まったく。

○結果
 やっぱりワードは使いたくない。クライアント(お客様の事)さえよければ、一太郎に変えたい。
 だって、同じ会社同士のソフトのコピペが信用できないんだもの。

5−2−2.その2

○やりたかったこと
 図表番号の連番を、テキストボックスにも連続させてふりたい。

○方法
 テキストボックス内で、「挿入」−「参照」−「図表番号」

○バグの内容
 上記を実行すると、本文中の図表番号と一致しない。なぜか、必ず、一つ飛ばされる。本文中の図表番号が、図3とすると、その直後に作ったテキストボックスに挿入する図表番号は、図5となる。

○対処方法
 テキストボックスの図表番号を選択(反転)し、右クリック「フィールド更新」を行う。複数あるなら、全部で一つずつ行っていく。

○結果
 テキストボックスの図表番号は利用しない。本文中の図表番号であれば、全選択(CTRl+A)で「フィールド更新」が可能であるが。この方法ではテキストボックスは選択対象にならないし、またテキストボックスのみを選択対象とするコマンドもない。それに、テキストボックスの図表番号は「相互参照」や「図表目次」に使えないのだ。

○補足
 2003ではテキストボックス内でも図表番号が連番となるようだが、番号の順序が機能しせずに、順序よくならないことがある。どうもテキストボックスを作成した順序で、連番が振られてしまうらしい。
 文章を書く人によっては、図のタイトルをテキストボックスで作成し、図とタイトルとでグループ化する人がいる。編集しても図とタイトルが一致しており、一見便利そうである。しかしテキストボックス内での図表番号の連動かきちんと機能していることが前提。長文になるとこの機能がまともに動かないので、タイトルはテキストボックスでは使わないことをお薦めする。


5−3.ワード2000でHTMLを作る

 ワードで普通にWebページとして作ると、びっくりするくらいファイルが巨大化しますよね。エディターで覗いてみると、なんだか訳のわからないタグやエレメントが列んでいます。通常これらのタグやエレメントは、Webページとしては必要ないものです。
 しかし標準構成のワード2000では、このタグやエレメントを除いてHTMLを作成することはできません。
 そこで、Webページとして不必要なタグやエレメントを取り除く方法をご紹介します。

 それはMicrosoftが無料で配布している、「Microsoft Office HTML Filter」をインストールします。入手方法は簡単で、Office アップデートからダウンロードできます。

 インストールすると、ワード2000に「ファイル−エクスポート−コンパクトなHTML」が追加されます。またショートカットアイコンがツールバーに追加されますので、このコマンドで保存するだけで、不要なタグやエレメントを除いて、HTMLが作成されます。

 またこのプログラムは単独でも起動しますので、以前ワードで作成した巨大なHTMLも、このプログラムで読み込んでやれば、同様に不要なタグやエレメントを除いて、HTMLが作成されます。





 

一太郎での長文作成の方法

ページ番号の設定

機能:文章の表紙や目次、本文でのページの振り方を設定する。
一太郎での名称:ページ設定
ショートカット:Esc−P−S−ページ/フッタ−ページ番号詳細
ワードとの対比:ワードでは表紙や目次ごとにセクション区切りを入れる。

章や節、図表などの番号設定

機能:第一章や図1などの番号を、挿入や削除ごとに自動で番号が変動する。任意の場所(タイトルにしたい文章の文頭)で設定できる。ランク(アウトラインレベル/段落)と連動していないので、文章をどんどん書いて行ってから、後から設定したい場所にて、自由に設定できる。
一太郎での名称:連番。一太郎では図表番号のみの目次作成はできない。
ショートカット:Esc−U−N →階層を選択する
ワードとの対比:ワードでは章や節の番号は、文章を各アウトラインレベルに設定した後、見出しスタイルで設定する。アウトラインレベル(ランク/段落)と章節番号が連動している。図表の番号は、図表の箇所で図表番号を設定する。なお図表番号は、テキストボックスで設定すると、参照できないので注意する。

本文中でこの章や図表番号を参照する。

機能:参照元の番号が変動しても自動で参照されている番号が変動する
一太郎での名称:連番参照
ショートカット:Esc−U−R−N
ワードとの対比:ワードでの名称は相互参照。ほぼ一太郎と機能は同じ。ただし自動的な番号の振り直しは、ワード2002から対応。ワード2000では、全て手動でふり直さざるを得ない。また編集記号の表示を行っているとわかるが、印刷されない編集記号がこの前後に挿入されるため、うざったい。

目次の作成

機能:目次を作成する。(目次行を抽出して、そのページを自動でふる)なお、目次を作成するためには、目次を作成させたい行を目次行として設定しなければならない。目次行はレベルが1〜6段階あり、目次はこのレベルに応じて作成する。これはランクとは連動していない。なおランクを設定しなくとも、目次行のみをしぼり込んで表示(Esc-U-M-J)することができ、このしぼり込んだ状態で目次行を移動させると、その下位にある文章も移動されるので、ランクと同様に使うことが可能。
一太郎での名称:目次作成
ショートカット:Esc−U−M
ワードとの対比:ワードではアウトラインレベルで設定した見出しレベルを目次化する。なお図表番号のみの目次も作成できる。

目次行の作成

機能:目次を作成するための目次行を設定する。
一太郎での名称:目次行の作成
ショートカット:Ctrl+Shift+Ins :押すごとに目次行レベルが1段階ごと下がる。
ワードとの対比:ワードはアウトラインレベルで設定した見出しレベルを目次化するため、目次行の概念はない。

ランクの設定

機能:段落をレベルをつけて管理する
一太郎での名称:ランク
ショートカット:Ctrl+Ins :押すごとにランクレベルが1段階ごと下がる。
ワードとの対比:機能的にワードのアウトラインレベルと、一太郎のランクとあまり変わりはない。

一太郎を持っていないのに、一太郎ファイルを見たり印刷したりしたい方へ

 ジャストシステムでは、一太郎用のビューワー(印刷もできる)を無料で公開しています。

一太郎ビューアダウンロード 一太郎ビューワーをダウンロードする

一太郎は株式会社ジャストシステムの登録商標です。
ワードは株式会社マイクロソフトの登録商標です。


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