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MSワードでPDFファイルを作る時のコツ

僕のやり方

 ここにはワードで作った文章をPDFに変換する方法を書いています。ここに書いてある方法でPDFにすれば、A4とA3が混在しているワードファイルであっても、また100ページくらい様々に混在していても、きれいに何の問題もなくPDFファイルが作成されます。
 ここに書いた方法以外に良い方法があれば、ぜひとも教えて下さい。

 なお、ここに書いてあるソフトのバージョンが古くて使えないように見えると思いますが、PDFのレイアウトが乱れてしまうことは、ポストスクリプトとワードの相性の問題なのです。この問題を設定で直すということは、ソフトの新旧にはあまり関係がありません。なので、下記に書いてある設定を、現在のソフトに当てはめてみて、上手に利用してほしいと思います。


ソフトウエア

PDFを作る

 僕の場合PDFを作成するのに用いているソフトは、PDFファイル中に「しおり」機能を利用しない場合は、primo(プリモ)を使っています。無料で使えますし、Acrobatよりも、作成するための時間が非常に短時間で作ることができます。それにプリモの初期設定をきちんとしておけば、アクロバットのようにレイアウトが乱れることはありません。ただしプリモはサムネールを埋めることができません。もしサムネールが必要であれば、アクロバットなどで埋め込んでやる必要があります。なおプリモの日本語版(パッチをあてる)はVectorのサイトにあります。でも英語版でも全く問題なく日本語のPDFファイルを作ることができます。僕は英語版を使っています。

 僕の場合、報告書をクライアントにPDFで納品(最終成果)する場合に限っては、「しおり」「サムネール」が必需品ですので、ワードから直接PDF Maker(Acrobat)を使って変換します。PDF Makerは、ワードの見出しから自動的にしおりを作ってくれるので重宝しています。でも初期設定のままだと、使い物になりません。Acrobatの設定だけではなく、Distillerの設定も変更しないといけないんです。なおAcrobatについてはVer5.0の場合は、Ver5.05へアップデートしてください。もしアップデートして表示が英語になってしまっても、プロパティの言語選択で「起動後に選択」とすることで、次回起動時に言語選択ウインドウが立ち上がり、日本語を選ぶことができます。

最近はワードの見出しを自動でpdfのしおりにしてくれるソフトは、2005年初頭頃より、廉価でいくつも出てきた。たぶん今後も、もっと出てくるだろう。
 1.Adobe Acrobat 7.0 Elements:編集機能は不明
 2.SkyPDF Tools, SkyPDF Pro:編集機能は不明
 3.Jaws PDF Creator:編集機能無し
ただし上記3のように編集ができないものもあるので要注意であるが。
PDFファイルになったものに後から「しおり」をつけるのは、実はとても簡単にできる。それはアクロバットを使うのだけれど。その簡単な方法は、このページ最下段にある「おまけ」を見てほしい。

 2008年現在、フリー(無料)でPDFを作成することのできるソフトは、このプリモ以外に、以下のソフトがある。
1)BullZip PDF Printer:これもプリモ同様、印刷でファイルの作成をする。もちろん日本語も大丈夫だし、商用利用も可能。
2)HTML2PDF.BIZ:オンライン上でWebページやHTMLからPDFを作成
3)Virtual Image Printer driver:こちらは印刷コマンドでpdfに加えて画像ファイル(bmp, png, jpg, tiff)に変換してくれます。
4)PDFCreator:これも印刷コマンドでpdfに加えて画像ファイル(PNG, JPG, TIFF, BMP, PCX, PS, EPS)に変換してくれます。

PDFファイルの編集(他のPDFの挿入、ページ削除、ページ回転、結合)をする

 僕が使っているのはMADIA氏の作られたPDFシリーズ(フリーウエア)です。非常に軽くて、安全なソフトです。開発が2003年4月を最後に中止になったものですが、これよりも良いものが開発されていないので、ずっとこれを使っています。


ワードdocファイルを上手にPDFファイルに変換する(作る)には

 アクロバットを使ってPDFファイルを作っても、きれいにできない時ってあるでしょう。例えばレイアウトが乱れるとか、A4縦で作っていて途中でA3を挟むとPDFでは以降のページ全てがA3になっちゃうとか、ビジオ(Visio)の図の文字が飛んでしまっているとか。
 このような問題を起こさずにきれいに作る方法を伝授します。

レイアウトの乱れ

 これはPDFをつくるソフトの解像度の問題です。アクロバットなら下に書いた設定をすればいいし、プリモだってきちんと設定をすれば大丈夫です。
 他のソフトは、使ったことがないので知りません。でも原則的にPDFファイルは、ポストスクリプトファイルを経由して作られているので、ポストスクリプトのドライバー設定を同じようにすれば良いような気がします。

A3A4混在のワードファイルをアクロバットで変換すると、PDFファイルではページの大きさが変わって変換されてしまう

 ワードファイルのうち、文章の最初はA4縦で書かれていて、途中セクション区切りでA3横にページ設定を変更して文章が書かれていて、このA3横の最後にセクション区切りで、A4縦にページが変わる場合の事です。この場合、アクロバットで変換する場合、初期設定そのままの状態では、A3横の次に来るA4縦ページは、A3縦として作られてしまいます。

今までは、このA3縦になってしまったページを、アクロバットでトリミング(A3縦をA4縦にするならば、アクロバットへの入力数値は、123.12と87.14です)していませんでしたか。ワードのAcrobatツールバーからクリック一発で変換できるはずなのに、いちいちアクロバットを再度立ち上げてトリミングなんて、はっきり言って面倒くさいですよねぇ〜。
 アクロバットのVer5やVer7を利用して変換する場合、下に書いてある設定をすれば、この問題は発生せずに、きちんと変換できます。基本的にはポストスクリプトの設定ですので、アクロバット以外の他のソフトでも同じような問題が発生するのであれば、同じように設定すればよいと思います。
 プリモVer.1で変換するなら、この問題は発生しません。しかしPrimoのバージョン2では、この問題が発生します。
 プリモVer1の場合、特定のページがA3A4に関係なく90度回転してしまいますので、別なソフトを使って回転(プリンターで印刷出力したように)させなければなりません。これの回転だけを修正するなら、フリーの軽いソフトを使えば、アクロバットよりは遙かに楽に作業できます。

ページの回転(プリモのみ)

 A3、A4の混在しているワード文章(セクション区切りでページ設定を変えている)や、図表を横に貼り付けてキャプションも横に書いているページは、プリモでは回転されて変換されます。これは、他のソフトで直さなければなりません。プリモでは直すことができません。
 僕は上のソフトで紹介しているMADIA氏のフリーソフトを使っています。ページと角度を指定するだけのシンプルなものですが、ファイル構造を変化させない、非常に安全なプログラムです。

Visioで作って貼り付けた図がおかしい(文字化け、消える、レイアウトが乱れる、など)

 ビジオで図を作ってワードに張り込むと、ワードではきれいに印刷されるのに、PDFでは文字化けしたり、とんでもないところに印刷されたりしていませんでしたか。このためビジオを使わなくなってしまった人も、いらっしゃるでしょう。
 でも以下の設定をすれば、大丈夫です。


各ソフトの設定方法

Visio(ビジオ)の設定方法

 以下に書いてあるのはVisio自身の設定です。以下の注意を守った絵をワードに貼り付けます。
 なおワード上で以下の仕様に直しても大丈夫です。

  1. Visioでは以下のフォントを使わないようにします。Visoの初期設定で、MSゴシックなどに変えておきましょう。
      ・MSPゴシック
      ・MSP明朝
  2. 文字の先頭に、半角スペースを入れるようにします。
  3. ほぼ上記の2点の修正でおかしな図は消えますが、PDFを作るソフト側の出力解像度を標準プリンターの設定と同じ(通常は600dpiが多い)ににしておけば、レイアウトが乱れることもなくなります。  
  4. 蛇足ですが、いずれのバージョンでもSR-1などのアップデートは必ず行ってください。

Primo(プリモ)の設定方法

プリンタードライバーのプロパティの用紙/品質−詳細設定を以下の設定にする。(実際はPostScriptの設定なんだけれどね)

 なおプリモの出力は、「For Print」にします。でもこれだと、フォントが強制的に埋め込まれるんですよね。

Adobe Acrobat(アドビアクロバット)Ver.7の設定

 以下の設定を行えば、レイアウトの乱れは解消されます。

 印刷のコマンドで、プリンターの設定を以下のように行います。

  1. プリンター名:Adobe PDF
  2. 「プロパティ」−「レイアウト」タブ−「詳細設定」
  3. Adobe PDF sonverter詳細オプションのダイヤログが開く
  4. 用紙/出力
     「用紙サイズ」を「PostScriptカスタムページサイズ」にします。
     このカスタムページサイズの定義で、用紙の大きさを必要なサイズに設定します(例えばA4なら、幅210mm、高さ297mm)。用紙の向きは、「短辺から出力」にします。
  5. グラフィックス
     印刷品質を、普通の印刷で行っているプリンターの品質にあわせます。初期設定は1200dpi程度だと思いますが、通常は600dpiだと思いますのでそれにあわせます。
  6. 「ドキュメントのオプション」−「PostScriptオプション」
     TrueTypeフォントダウンロードオプションを「Native TrueType」にあわせます。

Adobe Acrobat(アドビアクロバット)Ver5の設定

アクロバットは、ディスティラーとPDF Makerのジョブオプションの2つを設定します。

1)PDF Makerのジョブオプションの設定方法

  1. 一般(以下にチェックを入れる)
     ・サムネールの埋め込み
     ・ページの自動回転:ページごと
     ・解像度:600dpi(通常印刷に使っているプリンターの解像度に合わせる、600dpiが多い)
  2. 圧縮
     できるだけ通常印刷に使っているプリンターの解像度に合わせる(600dpiに統一)。

2)Distiller(ディスティラー)の設定方法

プリンタードライバーのプロパティの詳細設定を以下の設定にする。

  1. 用紙/出力
     「用紙サイズ」を「PostScriptカスタムページサイズ」にします。
     このカスタムページサイズの定義で、用紙の大きさを必要なサイズに設定します(例えばA4なら、幅210mm、高さ297mm)。用紙の向きは、「短辺から出力」にします。
  2. グラフィックス
     印刷品質を、普通の印刷で行っているプリンターの品質にあわせます。初期設定は1200dpi程度だと思いますが、通常は600dpiだと思いますのでそれにあわせます。
  3. 「ドキュメントのオプション」−「PostScriptオプション」
     TrueTypeフォントダウンロードオプションを「Native TrueType」にあわせます。

PDFを編集(電子納品CALS/ECで使える)するために

PDFのバージョンは、できれば低くして作成する

 PDFを編集する(頁単位の切り貼りやプロパティ変更などの各種作業)フリーソフトに、低いバージョンに対応しているものがおおいためです。
 具体的には、使用しているソフトの印刷のPDF印刷のプロパティで、PDFの互換性の設定において、PDF1.3(Acrobat4)を選んでおけばよいと思います。
 圧縮率は悪くなる傾向にあるようですが、文章だけでしたら、特に問題はありません。またファイルサイズは、画像のDPIなどをうまく調整すれば、特に大きい(圧縮率が悪い)とは感じません。

編集ソフト

執筆中断中


参考

Word から PDF ファイルを作成する際の推奨事項 (Windows 版 Acrobat 6.0/7.0)by Adobe site



おまけ

PDFファイル中の表データを、比較的簡単に、罫線付きの表データとして、ワードに取り込む方法

 ふと気がついてやってみたら、まぁまぁの手間だったので、ここに記録しておく。

 方法はいたって簡単。コピーして張り込むだけ、なのだ。PDFの表のセル単位の区切り文字を、ワードの罫線変換で罫線に変更するだけ。

 PDFの表を単純に選択してコピー。これをワードに貼り付け。この際、セル単位の区切りがどのような文字になっているかをワード上で目視で確認。区切り文字がワード上で見えないときは、編集記号を表示させたり、ワードへのコピー方法を変えたりする。半角スペースの場合が多いようだ。貼り付けた文字すべてを選択し、ワードのコマンドで、罫線の変換(文字列を罫線に変換する−文字列を表にする)を行う。この際、元のPDFの表の列数を入力し、またセルの区切り文字を選択または入力する。たったこれだけ。やってみるとものすごく簡単なことがわかる。

 ただ気をつけなければいけないことが一つだけある。PDFの表のセル中に改行が入っていた場合、そこに区切り文字が入ってしまうことがあるため、その区切り文字の場所でワード上の表にはセルができてしまうこと。だから貼り付けた文字から、その場所の区切り文字を削除しなければならない。トライアンドエラー(アンドゥ)を繰り返せばよい。この点が、「比較的簡単に」と言っているゆえんだ。

PDFファイルに、あとから「しおり」を簡単につける方法

 この方法はアクロバットを使う方法。

 PDFファイルは、文字情報が埋め込まれている必要がある。ワードなどからPDFに変換した場合には問題ないが、もしイメージファイルであれば、OCRで文字を埋め込んでおいてほしい。

 しおりを埋め込みたい場所で、しおりにしたい文字を選択。続いて、そのまま、「Ctrl+B」(Ctrlキーを押しながら、Bを押す)。これで、選択した文字が、そのまま「しおり」に入る。

 たったこれだけ。



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