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ここに書いてある情報は、僕の今までの経験を元に、僕が持って行っている薬についての注意点を書きだしたものです。私は医者ではありません。このページに書いてある情報について、仮に間違っていたことが書いてあったとしても、一切の責任は負いません。
必ず、責任ある医者およびご自身の判断に基づいて、持っていく薬を判断してください。
もし書いてある内容について、不適切な事柄がありましたら、是非ともお知らせ下さい。よろしくお願いします。
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このページ(medicine.html)の内容を、他の媒体(磁気や紙などを問わず)へ、その量にかかわらず、複写することを一切禁じます。
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このページの内容
写真は海外の現場(バングラデシュ)で撮影したものです。きれいに映っていないかもしれませんが、ご容赦を。
発展途上国においての健康のガイドブックとして、以下の2冊を紹介します。
まずはこれらの本ををお読み下さい。
これら2冊の本には、以下に紹介している私が書いた内容について、正しく書いてあります。
もちろんこのページに書いてある事柄以外にも、知っておくべき大切な情報が多数書かれています。
特に初めて発展途上国へ行かれる方は、まず始めに上記の本を読むことを強くお薦めします。
他にもいくつか出版されていますが、発展途上国での健康については、これら2冊が最も良いと思います。
できれば2冊ともお読み下さい。
また各地で研修やセミナーも行われています。
例えば大阪では、労働福祉事業団大阪産業保健推進センターで毎月二回、感染症予防の健康セミナーが無料で開催されています。
予防摂取はできるだけ受けておきます。
僕は、以下の4つを受けています。
それぞれ3回の注射を受けましたが、このほかの予防接種についても、同様に3回程度注射を受けるものが多く、調査出発前の半年前から計画しておくことが望ましいのです。出発直前に受ければよいのではありません。少なくとも出発の2から6ヶ月ほど前に病院へ行きます。地方の医療機関によっては予防接種の薬を常備していないところもあり、取り寄せに時間がかかる場合があることも、考慮しておく必要があります。
予防接種を受ける病院は、できるだけ伝染病の治療ができる医療機関(下記2のWebsitesの「住所録−予防接種機関」のページから検索してください。ご利用になりたい機関の所在する市の名前だけからも検索できます)にて、調査地の疾病状況と、現地での滞在期間を相談しながら受けることが良いと思います。
なおいきなり医療機関に接種に行くのではなく、以下の医療情報などを参考して、医療機関に行く前に、必ず自分で、行き先の現地で流行している、流行する可能性がある、または過去に流行した伝染病、これらを確認しておきます。そして接種内容を自分で決めます。しかし接種する種類によっては、旅行期間中の免疫効果が期待できにくい場合(二度目の注射までの日数が無く、渡航期間中の効果が持続しないなど)や、帰国後の再接種の計画が立ちにくい場合もあるので、接種順位を決めておくことも大切です。
医療機関に行ったら、医師と相談して、接種する内容を決めるようにします。
少なくとも発展途上国に行く際には、破傷風と狂犬病は必ず受けておくことが望ましいと、誰もが言っています。
僕が受けた4つの予防注射は、3回目の注射終了後、おおむね次の有効期間があると言われました。この有効期間が切れる前に、さらに追加(1回)の注射を受けることで、さらに同じくらいの有効期間が延びるそうです。
僕が予防接種を受けた病院は伝染病専門科で、予防接種について必ず一人30分の診療・接種時間を設けて、予約を受け付けていました。それでも相談をしていると1時間弱の時間がかかってしまいます。これは僕に限らず他の方も同様で、午後の診療では予約時間をオーバーして、かなり待たされました。
このような病院の場合、朝早く予約を取ることがいいのではと思います。
僕が一回の予防注射にかかった費用(2001〜2002年時点)と、そのときにもらった料金表に書いてあった他の接種の料金を書いておきます。参考にしてください。(もちろんこの他に、初診料などの各種手数料がかかります。)なお健康保険の適応はできません。また非常に残念なことですが、予防注射を受けていても、海外旅行保険の割引はありません。
上記料金表は古いので、国立国際医療センター国際疾病センター渡航者健康管理室にある料金表を参考にしていただくと良いだろう。
日本語による発展途上国の医療情報は、以下のWebsiteが詳しいので、参考にしてください。
1のサイトは、現地への日本人による巡回医療や、現地で販売されている薬と日本の薬の比較、病気への予防方法など、大変詳しい情報が載っています。
2と3のサイトは、 感染症に関する総合情報サイトと言ってもよく、非常に多くの情報が載っています。
4は日本歯科医師会による海外での歯科受診の情報が掲載されています。
出国前に、一度目を通しておくことを強くお薦めします。
- 労働福祉事業団海外勤務者向けの情報ページ(http://www.johac.rofuku.go.jp/)
- 海外勤務健康管理センターは平成22年3月31日をもって廃止となりました。まだ情報が残っていますので、ご参考ください。
- 海外渡航者のための海外感染症情報(http://www.forth.go.jp/)
- 国立感染症研究所感染症情報センター(http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)
- 海外の歯科事情と安心ガイド(http://www.iiha-jda.com/guide/index.html)
発展途上国の感染性疾病の情報は、毎週WHOが発信し、これを元に各国の政府などの機関が対策を立てています。WHOが発信している情報(WER)は、直接WHOのサイトで誰でも見ることができますし、日本語に翻訳した情報は上記3のサイトにてみることができます。また日本の抗生物質メーカーでも、日本人医師向けに発信しています。
この他には、以下のサイトでも英語ですが、旅行に関する総合的な詳しい情報を発信していますので、参考にすると良いと思います。
僕が恐れており、予防策を立てているいくつかのものについて、書き留めておきます。
持っていく薬と道具:「抗ヒスタミン剤の軟膏及び錠剤:商品名レスタミンコーワ」「毒吸い出しツール」
蜂の毒は蚊とは異なり、アンモニアでは中和できないヒスタミン毒というものです。
できるだけ毒を抜く必要があります。
注1)毒の吸い出しツールは、専門の小道具を用意しています。口で吸うと、その毒が口から回ってしまうって事があるのです。それは、注射器から針をとったような形をしており、樹脂でできています。山の道具屋で売っており、僕は800円で購入しました。商品名はインセクトポイズンリムーバー(Insect Poison Remover)。常に持っていないといけないので、100円ショップでケースを買って、他の必要品と一緒に携行するようにしています。
参考図書:「野外における危険な生物」
} | |
患部に当てる | 一気にレバーを引く |
最近(2005年3月)になって、ハチ毒によるアナフィラキシーの症状(血圧低下)を緩和するための、携行型の自己注射型の補助治療剤が発売されました。(ただしアレルギーを治す薬剤ではないことに注意が必要です。)
私は使ったことがありませんが、ここにそのメーカーのサイトを載せておきます。
もちろん機会があれば、買ってみようと思っています。
エピペン(メルク株式会社)
持っていく薬:「新ビオフェルミン」
僕は、現地で下痢を起こしても、日本で販売されている下痢止めは、絶対に飲まないようにしている。
発展途上国でかかる急性の下痢には、主に2つの種類がある。一つは暴飲暴食や、消化の悪い食物を摂ったとき。もう一つは、細菌の感染や食中毒の時。(注2)。このうち暴飲暴食などの下痢を止めるには、下痢止めは有効なのかもしれないが、細菌の感染や食中毒(発熱、吐き気、腹痛、腹部膨満感など、を伴う?)の時には、かえって下痢止めを飲むことで病気を悪化させる。下痢は本来、排便に伴って各種の悪玉菌類を体外へ排出させようとしている体の代謝反応である。しかし下痢止めの服用により、体外へでるべき菌類が腸にとどまり、このため腸から再度吸収され体内に入り、また暴れ出すのである。
手元にある下痢止め薬の成分を見ると、タンニン酸アルブミンが主要成分で、この説明として「腸において局所収れん作用を現し、下痢を止めます。」と書いてある。僕は、基本的には、特にこのような薬品をのまずに、整腸作用のみの薬だけを、服用したい。
注2)もう一つ、旅行者下痢というものもあるらしい。
そこで、乳酸菌(以下の3種類)のみでできている整腸剤「ビオフェルミン」を持って行っている。
これらの乳酸菌が小腸から大腸まで住み着き、乳酸や酢酸を作り、腸内の有害菌や有害菌が作る有害物質を減らして、整腸作用の働きを起こすものである。すなわち、下痢をしても直ちにそれが治まるというものではない。
僕の場合、下痢予防のつもりで、時々服用するようにしている。
なおビオフェルミンを服用するときは、必ず食事直後にする。食間に飲むと、これらの菌類が胃酸で殺されてしまい、腸まで届かないと思っているからである。
薬局で買えるビオフェルミンS錠(上)と、 医者で処方してくれるビオフェルミンR錠(下) |
持っていく薬:「ポカリスエット」など
バングラデシュで売っている同等品:「ORSaline」一袋ずつオレンジ色のアルミの袋に入っている。
これらが手に入らない場合の現地での作り方:「経口補液」(砂糖が手に入らないときは、砂糖抜きでも良い)
これらの補液は、あくまでも「水分」補給であるということを忘れないこと。激しい熱射病や下痢時には、ほかに失われている物が多く、上記の内容物だけでは不十分である。
また水も一度沸かした(必ず20分以上)ものを利用すると良い。
ポカリスエットと、バングラデシュのオアサリン オアサリンは、500mLに対して、これ一袋を溶かすのだと思う。 |
持っていく薬:「タイレノール」
タイレノールは世界で最も使われている解熱・鎮痛剤。アセトアミノフェンだけでできている。
熱を下げたり頭痛を緩和するだけで、何の治癒もしないが、確実に熱を下げてくれる。バッファリンよりも副作用は少ないとされ、アメリカでは泣いてうるさい幼児に、泣きやませる目的で(病気に関係なく)日常的に服用させているくらい。また胃を痛めることはないので、食事に関係なく、いつでも服用できる。
ともかく医者に行きたいが、熱があって動けない時は、これを服用して熱を下げてから医者に行くと良い。
日本ではやっと数年前に販売されるようになったが、海外で売られているタイレノールに比べ、薬量がかなり少ない。ちなみに下の写真の場合では、一日の最大服用量として900mgとしている。もし海外で買ったもので薬量が気になるようだったら、この量に制限すると良い。
ただしアルコールと一緒だと、かなり危険らしいので、アルコールを飲んだ後などは、絶対に服用しないことを強く薦める。
日本の薬局では、バッファリンやその他の 解熱・頭痛緩和剤に比べ、値段がかなり高い。 また、おいていない薬局もある。 |
また風邪薬はなにか一つ持って行っている。友人を見ていると、けっこう何にでも効いているから不思議。
もし風邪薬を持っていないときは、非常手段であるが、行きの飛行機の中でもらうことができる。でも飛行機でくれる風邪薬は、タイレノールである場合が多い。副作用の心配が少ないからなのだろうか。
蛇足:(この項は、2004年春から秋に記す。2008年秋に追記。)
タイレノールの定価は880円。国内で安く売っているところはほとんど無く、マツキヨでも通常の売価は924円(定価販売ですな)。これよりも安い店を、ずっと探し続けていたら、やっと見つけた。東京渋谷の駅前にある「オーエスドラッグ渋谷店」。ここではセールでなく通常価格として640円程度で売っている。この「程度」というのは、カプセル・顆粒・チュアブルで値段が数十円ずつ異なるので、このように書いた。通常価格がもっと安い店を見つけたら、ここに書くかもしれない。
タイレノール以外にもアセトアミノフェン錠剤はいくつも販売されており、日本国内ではブランド品でなければ約半額程度で買うことができるので、こっちでもよいだろう。
蛇足2
バッファリンやアスピリンなどのサリチル酸系の解熱鎮痛剤は、特に子供(15歳未満)には、急性脳症の危険があると言われています。確かに小児用バファリンには、サリチル酸ではなくアセトアミノフェンが主剤となっている。このアセトアミノフェンは、鳥インフルエンザ(旧称:家禽ペスト)による新型インフルエンザのパンデミック対策の家庭用備蓄品リストにも、脳症の危険のない解熱鎮痛剤としてリストされている。
2014年秋にデング熱が国内で流行した。この際にもNSAIDs(アスピリンとかロキソニン)の危険性が指摘され、アセトアミノフェンの安全性が言われていた。
持っていく薬:「QPコーワゴールド」や「アリナミンA25」さらにビタミンCなどの錠剤
特に海外の調査の時は、思ったよりも体力を消耗していることが多い。慣れない食べ物、硬水飲料、全部が外国語など、いろいろ精神的にも疲れることが多い。そこでちょっとした栄養剤を持っていく。ただし飲み慣れたものがよい。
なおドリンク剤は、カフェインが多いため持っていってもほとんど意味がないので、ご注意を。
また生野菜を食べることができないので、おもに気持ちの問題であるが、ビタミンCの錠剤を持っていくこともある。
持っていく薬:「良い物がない」
胃酸により悪玉菌類を殺してくれるので、胃酸を制限するような胃薬は持っていきたくない。しかしどんな薬をみても、胃酸過多に効くようないくつかの薬品を配合している。いわゆる総合胃腸薬ってやつ。だから今のところ良いものを見つけていない。大正漢方胃腸薬なんて持っていっているけれど、どうなんだか。
飲み水の確保は、非常に大切なことであるのは言うまでもない。特に発展途上国において信頼できる水が確保できない場合、下記の方法により飲用可能となる。
化学物質以外の汚染は、通常、以下に示す3種類の方法で飲むことが可能となる。
なお真偽は不明であるが、煮沸まで行わなくとも、低温滅菌でも飲み水は作ることができるとのこと。しかもこの熱源は、太陽熱で作れるらしい。詳細は下記を参照のこと。(2006年5月追記)
飲み水を作成する場合、まずはじめにフィルトレーションを行うことがよい。フィルターの目の大きさは、0.45マイクロメートル。この目の大きさは、全ての細菌を除去できる大きさである。ただし肝炎などを発症するウイルスは除去できないので注意。(ウイルスの心配がない場合、フィルトレーションだけで飲料水を確保する場合もあるようです。)
濾紙は紙でもいいし、メンブレンでもいい。このページを読む人は、地下水屋さんだと思うので、誰もが使っている地下水サンプリングの時に使っているフィルターで良い。
私の経験では、発展途上国のホテルの蛇口から出てくる水(グラスに取ってよく観察しても、パーティクルは全く見ることができない)を、このサイズのフィルターで約500ccを濾過すると、フィルターが真っ茶色になることがよくある。
なお濾過で飲み水を作成する場合は、システム一式を煮沸殺菌すること。また0.45マイクロメートルのフィルターの前に、もう少し大きい目のプレフィルターを設けて、砂などを除去しておくと良い。
煮沸は必ず20分以上行うこと。
これにより、ほとんどの細菌・寄生虫・ウイルスが死ぬ。
煮沸操作が、もっとも殺菌効果が高い。
塩素とヨウ素による方法がある。
塩素の殺菌方法について良い資料を見つけたので、リンクしておく。
・液体状消毒薬を使った水の消毒方法(愛知県衛生研究所):ここで言う液状の消毒薬とは、食品添加物の次亜塩素酸ナトリウムのことだろう。我々地下水屋さんの世界で言えば、井戸水にいれる殺菌用のものだと思う。なお、ほとんどの細菌・寄生虫・ウイルスが死にます。
太陽熱を使った低温滅菌という方法があるとのこと。(真偽不明)
たまたまSolar cooking Archiveという太陽熱を使った調理を紹介しているサイトを見ていたところ、Solar Water Pasteurization(太陽による水の低温殺菌:トップページの左側中央部)という記事を見つけました。
以前このページに書かれていた技術紹介の記事によれば、「安全な飲料水をつくるには殺菌しなくとも低温滅菌すればよい。低温滅菌するには65度C (150度F) で、20分間加熱すればよい。こうすれば人間の病気を引き起こす全ての病原体を殺すことができる。「水を沸騰する」と言われるのは、温度計が簡単に手に入らないので、沸騰させることで温度計の代わりをしている。」とのことだ。海外でなく国内の非常時にも使えそうな内容が多く書かれているので、内容を十分に検討した上で、お使いになると良いだろう。
持っていく薬:「蚊よけスプレー」「蚊取り線香(置く台とライターも)」
発展途上国の病気にかかるきっかけの大部分は、食べ物と蚊である。蚊にはなるたけ刺されないように気をつけなければならない。では僕の場合どうしているか。
昼間と夜間に分けて書く。
まず昼間、長袖・長ズボンに、虫除けスプレー。
夜は、「蚊帳」に限る。蚊帳に加えて、蚊取り線香をたけば、なお良い。でも蚊取り線香って、効くのと効かないのとがあって、発展途上国の蚊の薬に対する耐性には、結構驚かされる。でも驚いていても、蚊はよけられない。一般的には、発展途上国で売っている蚊取り線香よりも、日本で買っていった方がはるかに効く。
虫さされについては、皮膚科で処方してもらった飲み薬と塗り薬の2つの薬を持って行っている。
昔は「レスタミンコーワ」という市販の抗ヒスタミン剤(Anti histamin)を持って行っていたが、医者からもらった薬の方が当然ながら効果が高いので、虫さされ用としてのレスタミンコーワは持って行っていない。
蚊に刺されにくい防虫高価のある生地で作られたパーカー等が販売されています。生地の製品名はSCORON(スコーロン)。帝人とアース製薬が共同開発したものです。この生地表面に蚊などがとまっても、刺さずに嫌がって逃げていくというものです。従来のスプレーでは数時間しか効果が持続しない物が主流でしたが、この製品は洗濯をしても効果が弱まらない(30回洗濯しても86%以上の吸血阻止率)と言うことです。たぶん各種のスポーツ用品メーカーで販売されていると思います。
使ったことがないので、何とも言えませんが、ご興味のある方は調べてみて下さい。
1)ヘルペス(帯状疱疹)が出てしまったことがある。一度きちんと殺しておけば、二度と出ることはないとは聞いているが、やっぱり怖い。とても痛いからね。
そこで僕の場合は、ゾビラックス(Zovirax:GX CM1)を海外へ出かける前に皮膚科で処方してもらっていた。
約10年すぎた最近では、再発していないことから、もう持って行っていない。
2)もちろんちょっとした怪我の時のために、マキロンまたはオキシドールと、小さい使い捨てパッケージに入っている脱脂綿を一式持って行っている。
3)体温計もとても大切。僕は短時間で体温を推定するタイプは好きではないので、水銀体温計のように数分かかる直読式とよばれるものを1つ持って行っている。実は直読式のデジタル表示のメーカー品が、捨て値で売られていたので、それを使っている。
医療を受けることが期待できない地域に行かなければならない場合、あらかじめ消化器官系の疾病(下痢と発熱が同時に起きるような各種疾病)に効く抗生物質を持っていきたいと考えています。
しかし日本では一般向けに抗生物質は販売されていないし、またお医者さんから予防としての抗生物質の処方は法令上行えないことになっています。従って、一般的には以下の2つの方法で、抗生物質を購入して現地へ向かうしかありません。
僕はほとんど医者に行かないので、上記1の方法がとれません。そこでいつもStop
Overしているタイで買うことになります。ではどのような薬を買っているのでしょうか。
自分が医者でないことを考えると、例えいくつもの種類の抗生物質を持っていたとしても、症状にあった適切な薬を飲むことができません。となると、ブロードに効く(抗菌スペクトルが広い)錠剤、すなわち万能薬を持っていきたくなります。しかし広範囲に効くと言うことは、逆に不明な菌類対して抗生物質への耐性を持たせることになり、日本に帰ってきてから、自分の体が抗生物質の効かない体になっていることになっている可能性があるのです。従って現在の日本では、このような抗菌スペクトルの広い薬は、ほとんど利用されていない(処方されることがない)のです。とはいえ専門科以外の医者に行くと、結構処方されることが多い。
(現在ほとんど利用されていない消化器官系疾病用抗生物質の代表例がテトラサイクリン系のテトラサイクリン塩酸塩(Tetracycline
Hydrochloride)です。過去に世界中で無計画に処方されたため、世界中に耐性菌が蔓延してしまったとの事で、薬効はかなり低いと考えられているらしい。)
かといって必要なものは必要なので、僕が自分で判断して買っている薬を紹介します。ただしお薦めは一切しません。僕が買っているものを、単に紹介しているだけです。
ここに書いてある内容により、病気が悪化したり、また副作用により各種障害が出たとしても、僕は一切関知しません。
僕はバングラデシュに行くために、必ずタイに寄るようにしています。そのタイで買っている抗生物質は、以下の2種類です。
ではなぜこれらの薬を僕が買っているのでしょうか。消化器官系の疾病の原因菌であるグラム陰性菌(gram-nagative
microorganisms)やグラム陽性菌(gram-positive microorganisms)に対してブロードに効くという点に加えて、僕の体に対して(他人の体のことはよくわかりません)は、副作用についてあまり神経を使わなくて良いという点と、以下の点に特徴があるためです。
まず一つ目のドキシサイクリンですが、これはマラリアの予防にもなります。さらにコレラも効きます。(マラリアの予防については、「薬の飲み方」参考。)
二番目のレボフロキサシンは、日本では多く利用され、薬効効果が非常に高いのです。(しかし発展途上国では非常に高価で、その分、偽薬の確率も高くなります。)たぶん日本で、かかりつけのお医者さんが発展途上国に行くと言って処方してくれる薬と言えば、これ(クラビット)になると思います。
僕はこれらの薬を、いつも行っているタイの店で、以下の値段で買っています。信用できそうな店で買っているので、たぶん値段は高いと思います。
ドキシサイクリンは、その1・その2の2種類を買っています。
僕が店で購入する場合、以下の点をメモしています。
タイでは製造年月表示に独自の年号を使っているようで、ビンに書いてある薬の製造年月と有効期限を見ると、日本人には製造年がわからないことがあります。このためタイの年号の見方を書いておきます。
製造年月日らしき記述(タイ語で書いてある)として「16.3.44」、使用期限らしきタイ語の記述として「16.3.47」と書いてあるとします。この場合、「16.3.44」とは「16日3月2001年」のことで、「16.3.47」とは「16日3月2004年」のことです。
僕が購入する店では、ドキシサイクリン(その1)は、ビンの中から裸の錠剤状態で、チャック付きのビニール袋に入れて、必要な錠剤数を売ってくれます。この種のビニール袋は酸素を透過しますので、購入後すみやかに、密封のできるビン(注2)に移し替えた方がよいでしょう。
薬を買ったら、上記の記録も必ずその薬と一緒に、保管しています。
注2)密封のできるビン:僕は小さめの栄養ドリンクの空きビンを十分に洗浄して利用している。
なお薬の購入にあたって、一般的に注意をしなければいけないことがあります。それは、タイなどの発展途上国の薬屋では「偽薬」を売る店が多いということです。時計や洋服の偽物が氾濫している状況を見ると、薬だって同じ事です。薬は体が弱っている時に飲むものですから、そんな時に中身のわからない変な化学物質を飲めば、かなり危険であることは十分想像できることでしょう。
僕がいつも買っている店は、見た目に薬剤師らしき、堅物そうなおばさんが数名交代で勤務しており、その下で若い店員が働いているので、なんとなく信用できそうな気がして、そこで買っています。でもそこですら信用できるものではありません。さいわい僕はまだタイで買った抗生物質を飲んだことがありませんので、偽か本物かの区別はわかりません。このため、僕はもう一軒別な店に行き、同じように買っています。
タイで買ったドキシサイクリン(その1) DOXXO |
タイで買ったドキシサイクリン(その2) Vibramycin |
日本で処方されたレボフロキサシン ・1錠あたり100mg |
バングラデシュで買ったLevofloxacin(レボフロキサシン) ・商品名:Levoxin500 ・薬量:500mg/1tab (薬量に注意:日本の5倍もある) ・会社名:Incepta Pharmaceuticals Ltd. Dhaka, Bangladesh(数社の製品があったが、この会社がよく知られているという) ・価格:20tk/1tab |
いずれの薬も副作用があります。またいくつかの厳重な注意が必要です。
しかし、私は医者ではありませんので、注意を促すことはできません。
繰り返しますが、ここに書いてある内容は、僕自信が服用するにあたっての注意すべきことを書いているのであって、これを読む読者全員が同じ注意事項とは限りません。また私は、以下の飲み方を、お薦めはいたしません。
一日一回、100mgを服用。
テトラサイクリン系の抗生物質は、その病巣内濃度が起炎菌の最少発育阻止濃度(MIC)を一定時間以上保つようにしておく必要があるため、食事に関係なく、一定時間ごと(4〜8時間など)に飲まなければならない。であるから、服用する時間を決めて、必ず飲まなければ、効果がない。
また初日には一日に200mgを服用することで、高い効果が期待できる。
なお飲み込む際に、食道に詰まらせると、この薬によって食道炎を起こす可能性があるので、水を多め(コップ2/3以上)に飲むこと。これは胃にも言えるので、服用後、少なくとも30分は横にならない。
また、本剤は併せて飲用する水に、いくつかの二価や三価の金属イオン(Ca2+,Mg2+,Al3+,Fe2+)が含まれている場合、本剤と反応しキレート(錯体)を形成する。すなわち沈殿し吸収されなくなるため、抗生物質としての効果がなくなる。もちろんCaを含む牛乳(ミルク、乳製品)も同様であるし、地下水の場合特にFeや硬度には注意が必要である。
もし地下水中のFeが気になるようだったら、空気でバブリング(大きな瓶のようなもので、高く掲げて空気を入れ込みながら、交互に移し替える)して鉄を沈殿させ、うわ水を使用すると良い。ただしこれによってどれくらいキレート沈殿を防ぐ効果が期待できるかはわからない。
またボトルのミネラルウォーターを飲む場合は、ラベルに表示されているこれらの濃度の低いものを選ぶと良いのかもしれない。
しかしこれらによってどれくらい効果があるのか不明。
マラリアの予防措置:
- ドキシサイクリン100mgを一日一回夕食後の空腹時に内服。
- 流行地に入る2日ほど前から飲み始め、帰国後も4週間程度飲むと良い。ただし連用は8週間まで。
- マラリアは潜伏期間が10日くらいと言われているので、10日後に帰国するようだったら、気にしないで服用せず、日本で発症を待つ、という考え方もある。10日以上の場合は、服用してみるのも手。
- あくまでも予防措置。
コレラにも効くらしいが、詳細不明
一日200〜300mgを、2〜3回に分けて服用。
細菌性腸炎には、5日程度服用すると十分治療できる。
あまり副作用がないと言われているが、発熱症などのアレルギー反応が起こる可能性がある。
Al,Mg,Feと一緒に服用すると、吸収が低下するので注意。
禁忌:本剤過敏症、妊婦、妊娠している可能性のある婦人、授乳婦、小児
日本でもらった薬を調べるには以下のサイトが参考になります。
医者からもらった薬がわかる(http://www.eminori.com/drug/drinf001.html)ページ
以下のサイトも参考になります。専門家向けですので、内容の取り扱いには十分注意してください。
「抗菌薬インターネットブック」(http://www.aceart.co.jp/antibiotics/)
監修:愛知県がんセンター病院長病院長 大野 竜三氏
自分が下痢したときに、感染性の可能性もあるので、ともかく他人に移(うつ)さないようにしなければならない。もちろん、他人から移らないためにも、正しい手の洗い方を身につけておくと非常に便利である。そこでここに記載しておく。留意点は2つ。指先、指間(親指が忘れがち)。
なぜ手を洗うのかと言えば、手が主要な感染源だからだ。特に発展途上国では、どこにでも、ドアのノブとか、電気のスイッチとか、いると思っていても良いくらいなのだ。
発展途上国では、中途半端な抗生物質投与により、抗生物質に耐性の強い様々な菌類が蔓延しています。これらの国では、抗生物質が店頭で簡単に手に入る状況にあるため、その住民達は、何も考えずに簡単に抗生物質を飲んでしまう(注3)のです。しかも原因を特定しない(医者にかからない)で、ブロードに効く物を飲んでしまうので、なおさらです。また仮に医者にかかったとしても、長期に医者に行けない(1-お金がかかる。2-通院している間、働けず収入がなくなる)ため、住民達への処方も中途半端で終わってしまうことが多いのです。
注3)僕のバングラデシュでの経験:バングラデシュ人と一緒にルーラルエリアに入って調査を行っていたところ、彼が熱を出して寝込んだ。彼は薬剤師に電話をして、薬の名称を聞き、薬を購入していた。その薬は、某抗生物質であった。彼曰く「バングラデシュには良い医者はほとんどいないが、良い薬はたくさんある。だから薬を飲めば病気は治るんだ。」確かにその抗生物質は世界的大手メーカーのアンダーライセンスのもとバ国で製造された薬品で、値段も日本に比べると数十分の一であった。しかし服用する薬の種類とその量を決めたのは薬剤師であって、医者ではない。
このような医薬品の接種方法を実際に身近で見ると本当に驚く。しかも彼はバ国内でもかなりのエリートの一員である。発展途上国で耐性菌が蔓延するのもうなずける。
このような耐性のある菌類に対して、対症療法でしかない抗生物質を、現地に持っていこうと考えるのは本来間違いなのです。原因がよくわからないので何でも効く薬を、なんて事を考えるよりも、原因を突き止めて(ターゲットを絞り込んで)、その原因菌のみに効く、抗生物質を服用しなければ、いけないのです。
でも医者が期待できない地域に行くのに、そんな病気の原因なんか突き止めることできない、という不安があるのも事実です。
本来、最も適切なのは、菌を近づけないことと、予防接種です。体の中に入った後で、しかも発症してから、抗生物質でその菌を殺そうなんて、考えないことです。抗生物質の接種は、対症療法でしかないのです。
菌を近づけないためには、ごく当たり前の、以下のことを、極力、守るようにしています。
予防接種を受けていれば、悪さをする菌類が体の中に入った時に、自分の体の何重もの免疫機能が、これらの菌を殺してくれます。発症してから押さえ込む抗生物質なんかより、ずっとずっと効果が高いのです。
バングラデシュから帰って、あまりに日本の食事がおいしいので、暴飲暴食を毎日していたら、四日後ついに下痢になった。発熱、嘔吐感もないことから、たいした問題ではないとわかっていたが、内科に行ってみた。
バングラデシュに長期滞在していた旨を告げたところ、いくつかの検査が行われた。しかし、検査では何も問題ないという結果が出てくる。(あたりまえだ)
内科医から「まあ、問題ないでしょう」と言われ、どんな薬が処方されるのか、医者のカルテと処方箋を見ていた。
処方されたのは、以下の二つと胃薬。
D723はクラビット、タイで買っているパッケージと同一。BF-Rはビオフェルミン。
ちなみに僕が支払った薬の値段は以下の通り。
なお新ビオフェルミンS錠の市中価格は、350錠で約1,500円。BF-Rと市販S錠との違いは、BF-Rは抗生物質耐性の乳酸菌とのこと。それはそうですよね、普通の乳酸菌でしたらクラビットで死んでしまいますから。市中を探すと、この耐性乳酸菌も日本国内で買うことができるようです。
市立中央図書館にあった以下の書籍を参考にしました。もちろんこれ以外にも多数の抗生物質に関する書籍を読み、複数の情報源で確認を取っています。
なお僕は素人なので、これらの本に書いてある内容を正確に理解しているとは限りません。また参考書として適切なのか、それとも適していないのかについての判断はできません。
私は子供への予防接種は、必要と考えている(※)ことから、自分の子供が生まれた直後から、計画的に予防接種を始めた。ここにそのスケジュール表を公開する。
地球温暖化が進めば、伝染病等を媒介する衛生害虫も、東南アジアから国内へ容易に入り、定着化する可能性が高い。一時期、所属していた財団ではその専門家がいて、強くその警告を発していた。しかし残念なことに、国内の一般の病院ではその種の病気を診察したことない医師ばかりで、最も大切な感染初期の治療が期待できない。従って、予防接種は必要と考えた。もちろん他にもメリットは多い。日本国内では、多くの予防接種が任意であるため、自分で摂取の計画をたてなければならない。そこでスケジュールを立案する際に参考としたのは、国立感染症研究所の「日本の小児における予防接種スケジュール」(下記のリンク先を参照)である。
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