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シート単位で作られたカード形式データの整理法(MSエクセル)

シートに分散したデータから、簡単に一覧表・集計表を作成する方法


 マイクロソフトエクセルをカード形式のデータ整理として使っている方も多いでしょう。エクセルの各シートが1枚のカード(または台帳)形式で、各シートが全く同じフォーマット。このようなカードデータから、皆さんは、どの様にして一覧表(集計表)を作成、整理していますか。
 このページが置いてあるこのサイトは、主に地質屋さんが対象なので、井戸台帳を例にして説明します。各シートのカードには、名前・住所・井戸所有の有無・井戸形式、の記載があるとします。このシート単位のデータ(カード形式の台帳)をもとに、氏名・住所・井戸の有無・形式の一覧表を作成する場合、一つ一つ各シートからコピペして作成しますか。数十件程度なら手作業でも簡単ですが、数百件ともなると大変ですね。また串刺し計算のように、各セルにおいて、一つ一つシートを参照していく方法では、シート(カードデータ)が数百枚あるとか、シート上のデータが数百ある場合には、全てのセルでこれを行わねばならず、非常に面倒です。単に各シートの数値を足しあわせるなどの演算であれば、まぁ簡単なのですが、データを抜き出して一覧表を作成するのでしたら、これでは時間がかかりすぎます。
 では、エクセルの関数を使って、各シートのデータから、必要なデータを抜き出して、それを一覧表・集計表を作るテクニックをご紹介しましょう。

準備

この方法を行うには、事前に(各シートを作る前に)準備として以下の4つを行ってください。

  1. データカードのあるシートは全て一つのbookファイルに収納されていること。
     カードごとに別々のファイルとなっているときは、一つのBookファイル、すなわち「aaa.xls(aaaは任意)」にまとめます。
  2. シートの名称は連続番号とします。
     正確にはどのようなシートの名称でも良いのですが、連続番号(半角数字)で作成しておくと、一覧表を作成するときのシート参照式を作るときに、簡単にコピペができるので、手間が省けるのです。とりあえずはこれを守って作ってみてください。後で慣れてくれば、連続番号でなくとも作成できるようになります。
  3. シート内のフォーマットは、各シートで完全に統一する。
     各シートからセル番号を参照して、それが同じ項目(上記の例で言えば、住所とか)として抜き出し、一覧させますので、シートごとにセル番号が変わっていると、同じ項目のデータを抜き出すことができません。
  4. データを抜き出して一覧表にするシートを、新たに挿入する。
     同じbookファイル(シートを作成したものと同じファイル)に、新たにシートを作成してください。なおこのシートは、無記入のものです。シート名は、例えば「LIST」等のように名称を変更してください。シートの挿入場所はどこでも結構ですが、シートの先頭または最後尾が、わかりやすくてよいでしょう。

各シートからデータを書き出し(参照し、コピーし)て、一覧表にする

ここでは仮に、以下のように仮定します。

  1. カードデータのシート名称は、001〜999とする。
  2. 各シートのカード形式データは、A1セル:タイトル(番号)、A2セル:番号のデータ、B1セル:タイトル(氏名)、B2セル:氏名データ、C1セル:タイトル(住所)、C2セル:住所データ、とする。
  3. 抜き出すリストのシート名称は、「LIST」とする。
  4. 「LIST」シートに抜き出す(一覧表作成する)リストは、B列に番号データ、C列に氏名データ、D列に住所データ、とする。また行は、シートごとのデータとする。
この仮定条件の一覧表を作成する例が、以下の通りです。

  1. 「LIST」シートのA列に、各カードデータのシート名称の列を作成します。
     A1セルに「シート名称」と入れ、A2セルに001を、A3セルに002、A4セルに003を入れ、シート名称999までセルに入れてください。記入されている文字は、シート名称と同じ文字としてください。なおセルに001のように、ゼロがついたシート名称を用いている場合には、001の前にアポストロフィーを付けてください。
  2. B列に、各シートのB2セルに入っている氏名データを抜き出します。
     B1セルに「番号」と入れ、B2セルに次の数式を記入してください。
    「=INDIRECT(A2&"!B2")」
    この式を、999のシート(セル番号B1000)まで、下へコピーしてください。これで一覧表ができているはずです。
  3. 以下、C列・D列も同様に、コピーしてください。
     これで一覧表の完成です。

 ここで紹介したテクニックを応用して、いろいろ工夫して、楽に仕事をこなしていきましょうね。


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