現場で測定するアルカリ度についての解説
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目次
アルカリ度は、pHやORP・水温などのように、現場で測定する基本的な調査項目である。
しかしその内容について、日本の教科書にはほとんどと言って良いほど解説が載っていない。そこで自分なりに勉強したノートをここに公開する。
自分で勉強した内容であるので、間違いもあるかもしれない。もし間違っていたら、ぜひともご教授をお願いしたい。
アルカリ度は、炭酸(H2CO3)、炭酸イオン(CO32-)、炭酸水素イオン(HCO3-)、OH-や、量的にわずかであるが一部の有機酸や弱酸の塩(ケイ酸、リン酸、ホウ酸)などの酸を消費する成分が、試料中にどれだけ含まれているかを表示する方法の一つである。なお計測した値については、水中にあらかじめ含まれている水素イオン(H+)に注意が必要である。
[Alk] = [HCO3-] + [CO32-] + [OH-] - [H+]
注)炭酸(Carbonic Asid):水溶液中にのみ存在する。二酸化炭素が水に溶解すると、CO2 + H2O <-> H2CO3の平衡によって炭酸を生じる。単離することはできない。アルカリ金属塩は、融剤として利用される。カルシウム塩マグネシウム塩は、炭酸塩鉱物や堆積物として、分布している。
試験対象水をある一定のpHになるまで、酸標準液にて滴定を行う。このときに要した標準溶液の量を1Lあたりのmg等量(meq/L)として表現する。
なお一般的な浅層地下水では、pHが8以下である事が多いため、以下に示すpH8.3アルカリ度は0(ゼロ)である。従って通常はpH4.8アルカリ度にて測定する。
名称 | 滴定用標準溶液 | 終点のpH | 指示薬 | 終点の色 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
pH4.8アルカリ度 (Mアルカリ度) |
HClまたはH2SO4 (使用する濃度は、試験水のアルカリ度による。きれいな日本の地下水では0.01N、バ国の浅層地下水では0.05Nなど。) |
4.8 | メチルレッド−ブロムクレゾールグリーン (MR-BCG) |
灰紫色 | ・pH5、4.8、4.3のアルカリ度は、いずれも測定結果はほぼ等しい。 ・指示薬としてMR(methylred)混合指示薬やMO(methylorange)指示薬を使うことから、別名Mアルカリ度と呼ばれてる。 ・Mアルカリ度は、水中のアルカリ分の総量に対応するため、総アルカリ度とも呼ばれる。 |
pH8.3アルカリ度 (Pアルカリ度) |
同上 | 8.3 | フェノールフタレイン (PP) |
無色 | ・pH8.3およびpH9アルカリ度は、いずれも測定結果はほぼ等しい。 ・指示薬としてフェノールフタレイン(phenolphthalein)やその混合指示薬を使うことから、別名Pアルカリ度と呼ばれる。 ・Pアルカリ度は、アルカリ成分のうち水酸イオン(OH-)量に対応するため、一般的な地下水は8以下であることから、Pアルカリ度は0となる。 |
地下水のアルカリ度の起源は一般的に3つ考えられており、これらの指標として捉えられることが多い。
一つは、地質(炭酸塩鉱物)との関係。
二つ目は、炭酸ガスの成因として、生物の関与があることがあげられる。土壌や地層中のバクテリアなどの生物の呼吸作用でCO2が発生するとともに、その代謝物として生産される有機酸がバクテリアにより分解され発生する場合もある。また炭酸ガス以外も、代謝物としての有機酸もアルカリ度を高くする。
三つ目は、人間や動物の排泄物や死骸、腐敗した有機物、工場排水などにもアルカリ分は含まれており、当然アルカリ度を高くする。
このような地下水中のアルカリ度を増加させる主な反応は以下の通り。
CO2ガスが地下水へ溶け込むと、以下のような現象が起きる。
<執筆途中>
CaCO3が地下水へ溶けると、以下のような現象が起きる。
<執筆途中>
バングラデシュなどの発展途上国の地下水は、一般的にアルカリ度が高い。従って、通常の日本国内で用いられている0.01Nの塩酸よりも濃度の高い、0.05Nの塩酸にてアルカリ度を測定する。
なお0.05Nで測定した場合、試験水50(mL)では、上式により滴定量がそのままアルカリ度(meq/L)となる。
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