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アルカリ溶融法の留意点
炭酸ナトリウムによる融解(炭酸塩融解 Carbonate fusion)とも言う
利点
炭酸ナトリウムは融点が850℃と高いため、ケイ酸塩や高原子価の金属酸化物の溶融に適している。
原理
酸に不溶の試料に対し、酸化物に対しては酸化ナトリウムが化合し、可溶性の塩となる。
ケイ酸と結合していた金属は、酸に可溶性となる。
Na2CO3 -> Na2O + CO2↑
M(II)SiO3 + Na2CO3 -> M(II)CO3(酸に可溶) + Na2SiO3(水に可溶)
M(II)CO3 + 2H+ -> M2+ + CO2↑ + H2O (イオン化)
手順
- 岩石試料(一般的に0.5g以下)を小数点4桁目まで正確に秤量
- Na2CO3の混合
- 徐々に加熱(白金るつぼの底がわずかに赤くなる程度):10分
- 中が溶けるまでさらに徐々に加熱(気泡を生じさせないように):20分
- 溶けた状態で:40〜60分
- 融塊を酸に溶かす
- 定量分析
留意点
- 試料は十分に乾燥したものであること
- 湿度による水分や試料中の化合水は、加熱による蒸発や分解が行われるので問題はないように見える。しかし急激な加熱により突沸や、熱分解による試料が飛散する場合がある。
- 砂質土の試料は、すり鉢で十分にすりつぶしておくこと
- 融解が均質に行われる事もあるが、細粒化による試料の均質化効果も大きい。
- 炭酸ナトリウムの添加量
- 通常、試料の10倍量を加えるが、金属酸化物が多い場合は多めに添加する。塩基性岩も同様。
白金線などを用いて、十分に撹拌し均質に混合している状態にする。白金線に付着した試料は、薬包紙上に乗せたNa2CO3(0.5g)にて擦り落として、加える。
試料が十分に細粒化されている場合、手で持って揺らすだけでも、十分に混合できる。
- 融塊のるつぼからの剥離方法
- その1:るつぼを室温まで放冷する。るつぼばさみにてガスバーナーの強炎に10秒程度かざし、底部を急激に熱するようにする。この時、融塊には熱が届かないように行う。加熱後素早く放冷する。
その2:放冷後、るつぼに少量の水(1/2〜1/3程度)を加え、5〜10分放置。バーナーの小炎で熱する。
その3:るつぼの底部にはNa2CO3のみ、その上に混合した試料をおくようにするとはがれやすい。
- 融塊の色
- 緑から泥褐色:Feが存在
青:Mnの存在
オレンジ:Crの存在
- 試料にMnを含む場合
- るつぼに入っている融塊にHClを入れると、HClはマンガン酸のため酸化され塩素を発生し、白金るつぼを侵すおそれがあるため、この時はHClを加える前に1mLのエチルアルコールまたはメチルアルコールを加えて、マンガン酸を還元しておくと良い。
- 冷却した後の融塊の形状
- 融塊の表面に気泡や、噴火口様の形が見えていた場合、再溶融する
十分な時間加熱していてもこのような形状が見える場合は、加熱して液状になっている時に、るつぼを揺らして、混合させても良い
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