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水中での平衡
Equilibria

筆者よりお願い:計算が間違えていたら教えて下さい。でも、こんなんで間違えていたら恥ずかしいなぁ〜。


炭酸化学種

 HCO3-を含めた溶存炭酸種の濃度は、炭酸塩鉱物との平衡である。
 溶液中の化学成分の活動度は、材料物質の組成と安定性によって決定される。
 水溶液中でどの様な鉱物が形成されるかは、活動度によって規制される。

炭酸化学種の解離反応と解離常数

溶存炭酸化学種

水質分析結果から炭酸塩鉱物(炭酸カルシウム:CaCO3)の飽和度SIを求める

 その溶解を示す平衡定数(溶解度積)をKCaCO3、地下水中のCaCO3の溶解度積に対する活動度積をQとすると

Q = aCa2+ × aCO32-
SI = log ( Q / KCaCO3 )

 SIがゼロの時は、溶解度積と活動度積が等しいことから、地下水はCaCO3に対して「飽和」している。SIが正であれば、地下水は熱力学的にCaCO3に対して「過飽和」であることから、CaCO3は沈殿しており、逆に負であれば「不飽和」であることからCaCO3が溶け出すと推定できる。
 実際の計算例を以下に示す。

1.試験水の分析結果

なお以下に示す式において[ ]は活動度で示されるものであるが、非常に薄い溶液中では、濃度で示すことが出来る。

2.アルカリ度からその時のpHでの炭酸化学種の濃度を求める

[Alk] = [HCO3-] + [CO32-] + [OH-] - [H+]
   =3.20x10-3(mol/kg)

10-10.3 = [CO32-][H+] / [HCO3-]
10-14 = [H+][OH-] / [H2O] ([H2O]=1)
[H+] = 10-6.96
[OH-] = 10-14 / 10-6.96 = 10-7.04
[HCO3-] = [CO32-][H+] / [10-10.3]

[Alk] = [HCO3-] + [CO32-] + [OH-] - [H+]
   = ( [CO32-] × 10-6.96 / 10-10.3 ) + [CO32-] + 10-7.04 - 10-6.96

[Alk] - 10-7.04 + 10-6.96 = [CO32-] × ( 103.34 + 1 )

[CO32-] = 1.5x10-6 (mol/kg)


出典:Geochemistry, groundwater and pollution (CAJ Appelo, D.Postma)

3.水質分析結果から炭酸塩鉱物(炭酸カルシウム:CaCO3の活動度積を求める)

[Ca2+] × [CO32-]

32.13(mg/L) : 32.13x(1/40.08/2) = 1.603 (meq/L) : 1.603x10-3 (mol/kg)  (1L=1kg)

( 1.6x10-3 ) × ( 1.5x10-6 ) = 2.4x10-9 (mol/kg)

4.試験水が炭酸塩鉱物に対して飽和しているか(飽和指数SIを求める)

2.4x10-9 / 10-8.4 = 0.603

SI = log0.603 = -0.22

正は過飽和で沈殿するだろう、負は不飽和で溶解するだろう

飽和の範囲は、おおむね±0.37と考えて良い。
従って、本試験水は炭酸カルシウムに対して、熱力学的に飽和していると言える。

あわせてEh-pHダイヤグラムにプロットして、確認すると良い。


水酸化鉄

Fe(OH)3 <-> Fe3+ + 3OH-   溶解度積 Ksp = 10-37.2

平衡定数K = [Fe3+][OH-]3 / [Fe(OH)3]
溶解度積Ksp = [Fe3+][OH-]3 = 10-37.2

logKsp = log[Fe3+] + 3log[OH-]
Kw = [H+][OH-] = 10-14
log[H+] + log[OH-] = -14
log[OH-] = -14-log[H+] = pH -14
LogKsp = log[Fe3+] + 3 ( pH -14)
-37.2 = log[Fe3+] + 3pH -42
log[Fe3+] = -3pH +4.8

OR

Fe3+ + e <-> Fe2+  Eo = 0.771(Volt) at 25oC,1 atm
Eh = Eo + (RT / nF ) ln ( [Dox]d / [Bred]b )
Eh = Eo + (RT / nF ) ln ( [Fe3+] / [Fe2+] )
  = 0.771 + ( ( (8.314x10-3)(298.15)(2.303) ) / 96.2 ) log ( [Fe3+] / [Fe2+] )
  = 0.771 + 0.059 log ( [Fe3+] / [Fe2+] )

参考書

「とっつきやすい」もののみ

  1. 高校の時に使った大学受験用の化学の参考書 自分で使いやすいものなら何でも良い
  2. 高校生向けの化学解説サイト「新・化学ノート」「続・化学ノート」「独学のための無機化学ガイド
  3. 入門化学熱力学−現象から理論へ 改訂版 山口 喬著 培風館 1991年
  4. フィールドの化学 山県登・水野直治共著 産業図書 1980年

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