書名:理科系の作文技術
著者:木下 是雄
発行:中央公論社 中公新書 No.624
この書籍は、私が大学3年生の時のゼミ(専門課程:応用地質学)の教科書であった。
通常、理科系の大学であれば、専門科目に関する書籍や文献の輪読・討論を行うのが普通であるが、うちの先生は「文章を書くことがもっとも基本である」との考え方から、この本を使ってゼミを行っていた。
当時は、特に文章を書くことについての大切さを意識をすることもなく、卒論も書き上げた(ワープロなかったんです)。
しかし会社(技術コンサル)に入ってみてから、文章が書けないこと(どのようなクライアントでも理解できるようなわかりやすい内容が書けない)に死ぬ思いの日が続き、その度にこの本を読み直してきた。
大変思い出がある本である。
現在でも、多くの大学の生協の図書販売において、この本が平積みされているのをよく見る。また理科に強い古本屋(大学の周辺にある)でも、よく見かける。
この本を読んだことがない方は、以下の目次を参考にしていただき、ぜひ一読を薦める。
なお読むときは、
はじめからゆっくり読むこと。
絶対に飛ばし読みをしないこと。
この基本的なことさえ守ることができれば、きっと読み終えたときには、あなたの文章は、激変していること間違いなしだろう。
目次
- 序章
- チャーチルのメモ
- この書物の目標
- 「作文」について
- 準備作業(立案)
- 準備作業の必要
- 文書の役割の確認
- 主題の選定
- 与えられた課題
- 一文書一主題
- 長さの制限
- 読者
- なまの情報
- 目標規定文
- 材料あつめ
- 思いつくままのメモ
- ジャーナリストの定石、その他
- 図・表
- 文献
- 文章の組み立て
- 記述の順序
- 起承転結
- 重点先行主義
- 新聞記事
- 序論・本論・結び
- 序論
- 結び
- 本論の叙述の順序
- 概観から細部へ
- 細部の記述の順序
- 論理展開の順序
- 文章の構成案の作り方
- 構成表を作るやり方
- スケッチ・ノート法
- カードによる整理・収束法
- パラグラフ
- パラグラフ序説
- パラグラフの満たすべき条件
- トピック・センテンス
- 展開部
- 文章の構成要素としてのパラグラフ
- パラグラフのたて方
- パラグラフの長さ
- パラグラフの連結
- 文章の構造と文章の流れ
- レゲットのいうこと
- 文の構造−逆茂木型の文
- 文章の流れ−逆茂木型の文章
- はっきり言いきる姿勢
- レゲットのいうこと(続)
- 明言を避けたがる心理
- 明確な主張のすすめ
- <はっきり言い切る>ための心得
- 事実と意見
- 事実と意見
- 事実とは何か 意見とは何か
- 事実の記述 意見の記述
- 事実と意見の書き分け
- 事実の持つ説得力
- わかりやすく簡潔な表現
- 文は短く
- 格の正しい文を
- まぎれのない文を
- 簡潔
- 読みやすさへの配慮
- 字面の白さ
- 漢語・漢字について
- 受け身の文
- 並記の方法
- 文章の中の区切り記号
- 「私の流儀」の書き方
- 漢字の使い方
- 文末の述語
- 書き言葉と話し言葉
- 執筆メモ
- 日付
- 辞書
- 単位・量記号
- 単位
- 量記号
- 文献引用
- 原稿の書き方
- 原稿用紙の使い方
- 数式の書き方
- 字体その他の指定
- 書き直しと清書
- 図と表の書き方
- 読み直しと校正
- 手紙・説明書・原著論文
- 手紙
- 用件の手紙の扱い方
- 用件の手紙の形式
- 本文
- 説明書
- 説明書の書き方の教育
- 使用説明書
- 説明書の模範例
- 原著論文
- 科学論文の区分
- 論文のオリジナリティー
- 原著論文の書き方
- 再討論・仕上げ
- 閲読制度について
- 学会講演の要領
- 「読む」のではなく「話す」
- 話の構成
- スライドの原稿
- 手持ち用メモ
- 登壇するときの心得
- 英語講演の原稿
目次引用: 「理科系の作文技術」木下是雄著 中公新書